小さいころ、お姫様ごっこ大好きだったんですよ〜。
かわいい話ね。シンデレラとか白雪姫みたいな感じ?
みんなに年貢を納めさせてました。
地頭の娘だった……。
こんにちは、Yunです!
子育てについて調べるなかで「ごっこ遊びは何歳からはじめるんだろう」「ごっこ遊びってどんな効果があるんだろう」と疑問に感じていませんか?
そんな疑問をお持ちの方に、こちらの記事ではごっこ遊びの効果や特徴、年齢ごとの遊び方の違いについて解説しています!
この記事を読めばごっこ遊びが子どもの発達にどのように関係しているかがわかります!
ごっこ遊びとはなにか
ごっこ遊びには、高度なスキルが詰まっている
幼児期の子どもはさまざまな遊びを通じて、心身の発達にとって重要な経験を重ねていきます。
ごっこ遊びも子どもにとって重要な遊びのひとつであり、特に想像力や創造力、言語能力の発達に役立つことが研究からわかっています。
ごっこ遊びは、単に子どもが大人のまねをしているだけに見えるかもしれませんが、その振るまいによって子どもの脳にはさまざまな刺激が与えられています。
子どもが自分の世界観をつくって誰かと、または1人で演じるときには、現実にはない場面をつくりだすための協調性や自己調整能力を発揮します。これは高度に社会的なスキルです。
たしかに、想像力は豊かになりそ〜。
ごっこ遊びは子どもの情緒を発達させる
また、ごっこ遊び内のストーリーに「うれしい」「ありがとう」「やられた〜」などの感情の起伏が存在することは、子どもの感情表現も発達させます。
これらは、子どもがある年齢に達したときに同時に起こるのではなく、年齢ごとに段階的に経験していきます。発達段階を無視した能力を子どもに要求することは、子どもにとって苦痛になります。
親がごっこ遊びの効果や、年齢ごとの遊び方の違いを知っておくことは、子どもの健全な発達に役立ちます。
ごっこ遊びはメリットがいっぱいよ!
ごっこ遊びはいつから始まるのか
1歳ごろ
ごっこ遊びの最初の兆候が現れだします。子どもは横になって寝たふりをしたり、飲んでいることを示すために音を立てながらカップから一口飲むふりをしたりすることがあります。
この段階はごっこ遊びというよりは「ふり」であり、自分が経験したことのある行動を使って遊んでいます。これは他者に向けた遊びではなく、子どもは自分で楽しんでいます。
子どもは「ふり」をしていることを伝えたくて、あなたに微笑みかけるかもしれません。
1歳半ごろ
ある段階から子どもは物を使ってほかの物を表現するようになります。これを「象徴遊び(Symbolic Play)」と言います。これがごっこ遊びのはじまりです。
黄色いブロックを手にとって「これはバナナだよ」などとするのが、象徴的な遊びです。
象徴遊びは子どもの思考力や想像力、言語能力などを発達させます。
2歳ごろ
人形を寝かしつける、おままごとなどのごっこ遊びがはじまります。
1歳から2歳のあいだくらいで、子どもはごっこ遊びにほかの人を参加させたがります。
おもちゃをもって「りんごどうぞ」「これ食べて」などをあなたに言うのは、この時期に子どもは自分と他人が別の存在であるということを認知しはじめるからです。
幼児は2歳ごろから人形遊びをはじめます。彼らは人形は自分たちと同じくお腹をすかせたり疲れたりする生き物だと感じています。
このとき、子どもは自分とあなたが「ごっこ」をしていることも、それが現実のルールではないことも認識しています。
この時期の子どもは自己中心的な認識のしかたですべてを見るのに対して、ごっこ遊び中の認識は特別なものです。ごっこ遊びのときには、現実のルールと「ふり」のルールを2重に理解することができます。
幼い子どもはバナナをバナナだと理解していますが「果物」とは呼びません。これは、物に2つ以上の属性があることを理解していないからです。
しかし、たとえばブロックでつくった恐竜でごっこ遊びをするとき、子どもはそれが「ブロック」であり「恐竜」でもあると理解しています。つまり、物の2重の属性を認識しています。
ここから言えることは、ごっこ遊びは子どもの認知能力を発達させるのにとても効果的であるということです。
3歳ごろ
人形やおもちゃでごっこ遊びをします。他人やキャラクターになりきることを好みだします。
4歳ごろ
ごっこ遊びにドラマ性が入りだします。
この段階では、子どもはごっこ遊びに必要な小道具やアイテムを集めて、遊びのストーリーを用意します。
彼女は自分が演じたいことについて具体的にイメージしていて、それに応じた計画を立てます。彼女は、レッスンをしている教師のふりをしたり、子供を店に連れて行く母親のふりをしたりすることがあります。
未就学児は通常、ごっこ遊びのこの段階で、周囲とかかわりながら高度な社会的スキルを身につけます。
子どもがごっこ遊びのドラマに満足するためには、大人とよくコミュニケーションを取り、特定の役割を果たし、他の人が自分の役割を果たし、物を分かち合い、順番を交代し、互いにルールに従って、共通の目標を持って遊ぶ必要があります。
しかしこれらすべての達成は難しいため、親は日常的に妥協点をさぐる必要があります。
おままごとでパパ役やママ役を考えるの、大好きでした!
5歳ごろ
ごっこ遊びにもルールを追加しだします。4歳までの段階からさらに発展させた遊び方を見せ、集団で高度な役割分担を実現させます。
(参考URL:M. W. De Witt「The young child in context : a psycho-social perspective.」)
(参考URL:Jan Natansont「Learning Through Play)
ごっこ遊びの特徴
ごっこ遊びは、その遊び方に2つの段階があります。
ごっこ遊びには「機能遊び」と「象徴遊び」の側面がある
ごっこ遊びの効果に注目するとき、ごっこ遊びには「機能遊び」と「象徴遊び」が含まれています。
どちらも子どもの発達に重要ですが、より高度な能力が身につくのは象徴遊びのほうです。機能遊びは象徴遊びの前段階に属し、より初歩的な能力を活用します。
象徴遊び
象徴遊び(Symbolic Play)とは、幼い子どもがおこなう物やおもちゃをなにかになぞらえた遊びのことです。
象徴(シンボル)とは、なにかが別のなにかを表すことを言います。
子どもはごっこ遊びのシナリオ上で必要だけれども手元にないものについて、別のなにかで代用しようとします。
たとえばちぎった草を集めて料理のまねごとをするのは、草を食材の「象徴」と見立てた象徴遊びです。
象徴遊びは、手元にあるものと象徴するものとが似ている場合が多いですが、たとえ色や形が似ていなくても問題はありません。象徴遊びに必要なものは想像力だけです。
子どもは想像の力で、手元にある物をあらゆる物に変身させることができます。もしくは何も手にもたずに、耳に手をあてて電話で話すふりをするのも、象徴遊びに含まれます。
空想で遊ぶの、得意でしたよ!
ごっこ遊び=象徴遊び+機能遊び
ごっこ遊びには、象徴遊びの要素と機能遊び(Functional Play)の要素を含みます。
機能遊びとは、象徴遊びよりも基礎的な遊び方で、子どもが物をその機能どおりに活用して遊ぶことをさします。
たとえば、おもちゃの電話を手に取って耳に当ててしゃべる子どもは、機能遊びに取り組んでいますが、ブロックやその他の物を手に取って耳に当てる子供は、象徴遊びの段階に移行しています。
子どもの想像力を伸ばすという点では、リアルで高価なおもちゃを買い与える必要はないということね。
象徴遊びはいつからはじまるのか
機能遊び(象徴遊びではない遊び方)は、通常、生後1年の後半、生後8か月から11か月のあいだに現れはじめます。
その後、子供の象徴遊びの最初の段階は、約11〜12か月で始まります。2歳ごろからさらに夢中になり、高度になります。
(参考URL:Edna Orr「Symbolic play and language development」)
ごっこ遊びで身につく力
幼児期のごっこ遊びにはさまざまなメリットがあります。ごっこ遊びをしているあいだ、子どもたちは多くの社会的スキルを発達させます。
身体機能・運動能力
ごっこ遊びのあいだ、子どもは細かい手先の動かし方を身につけます。子どもは通常、歩く、登るなどの「基本的な動き」から先に身につけます。細かい運動は応用的であり、練習しなければいわゆる「不器用」な状態がつづきます。
ごっこ遊びは肘から先や手先を動かす練習になります。
問題解決能力
問題解決能力は子どものあらゆる遊びで発達していく力です。
ごっこ遊びの場合、子どもは手元に必要なものがない状態(「問題」)のなか、どうすればその状況を乗りこえられるかを思考し、別のもので代用するという「解決策」を見つけ出しています。
これをくりかえすことは、子どもが発想力で困難を乗りこえる力を伸ばします。
楽しく問題解決能力が身につくって、最高ですね!
言語能力
言語能力は、象徴遊びと深くかかわっています。
言葉を話すことや「ふり」をすることは、表現能力が必要になります。どちらも目の前にある現実を記号表現として解釈して、別の記号で代用します。
ブロックのかたまりを「車のおもちゃ」に見立てる能力は、目の前の鉄のかたまりを「車」という音声記号(言葉)で表す力と結びついています。
ごっこ遊びによって言葉を話すための力が身につきます。
「記号学」という学問では、言葉や文字、音、絵、子どものまねごとなどはすべて「記号」として共通の性質をもつものと扱うのよ。
(参考URL:Edna Orr「Symbolic play and language development」)
文字の読み書きの基礎づくり
ごっこ遊びをしたらひらがなが読めるようになるということではありません。
ただし、象徴遊びは文字の読み書きにかかわる能力の前触れです。
文字や数字は、子どもが私たちになにかを伝えるための記号です。象徴遊びをするとき、子どもは目の前のものを記号化する訓練をしています。
ごっこ遊びをくりかえして記号表現に慣れ親しむことは、言語・識字能力に良い影響を与えます。
感情の発達
ごっこ遊びは、そのシナリオのなかでポジティブな感情とネガティブな感情の両方を表現します(たたかいごっこのなかでは、登場人物が勝ったり負けたりします)。そうすることで子どもは感情を調整し、自分の認知と感情を結びつける力を養っています。
自己調整能力が身につく
ごっこ遊びを頻繁に行う子どもたちは、2つのルールセット (ごっこ遊び中に適用されるルールと現実に存在するルール) を切りかえる能力を身につけます。これは、状況に応じて振るまい方を分ける力につながります。
ごっこ遊びのなかで頻繁に気持ちを切りかえる経験は、子どもの自己調整スキルに発展します。
また、ごっこ遊びをすると、子どもの攻撃性が低下することが知られています。これは子どもがごっこ遊びのシナリオをとおして礼儀正しさや共感を学ぶからです。
子どもたちがおもちゃや人形を使ってシナリオを展開するとき、自然と複数の視点から表現することになります。
このときに子どもは一度に複数の役割を経験し、自己調整、共感、コミュニケーションにかかわる力を伸ばしていきます。
わたしはけっこう乱暴なごっこ遊びもしてましたよ。
このあたりは、ごっこ遊びの内容も影響しそうね。
(参考URL:Berk, Laura E.「Make-Believe Play: Wellspring for Development of Self-Regulation.」)
創造性
ごっこ遊びのあいだ、子どもたちは想像力を発揮しつづけます。それにより、新しい方法を生みだす創造力も身につきます。
コミュニケーション能力
子どもはごっこ遊びのなかで他者とのかかわり方や、役割をもつ意識を学びます。たとえ1人で遊んでいるときでも、子どもは他者とはなにかを学んでいます。
「もしも〜」や「〜ならば……」を考える力が身につく
ごっこ遊びのなかで子どもが「ふり」のしかたを身につけることは、現実に起こっていないことを推論する力と結びつきます。これは「もしも〜だったら……」という反事実推論の力を養います。
また、「もしも〜」を考えられる想像力は、ものごとの因果関係を認知するうえで不可欠な能力です。原因や結果を考えることは、いま目の前にないものを関連づけて思考することだからです。
ごっこ遊びに夢中になっている子どもは、ものごとを論理的に思考する力の基礎が養われています。
ごっこ遊びに対する親のかかわり方
ストーリーを補助する
子どもは自分でストーリーを考えますが、それはいくつかのパターンのくりかえしになりがちです。マンネリを感じる場合は、親が子どもにアイデアを提供しましょう。
たとえば、ごっこ遊びに「今日は◯◯くんが遊びにきたよ」「急に◯◯が起こりました」などの発言でストーリーに刺激をくわえてみましょう。
このとき、親の発言によって子どもが発想をふくらませるまでの時間をとります。親がストーリーをうばうのではなく、子どもがストーリーをさらに展開させることが大切です。
また、「このあとどんなことが起こるの?」などの質問をするだけでも、子どもの思考は深まります。
ストーリーそのものを用意するのは逆効果です。子どもは自由に遊ばせてほしいと感じてしまいます。
人形やぬいぐるみを用意する
子どもがいつでも人形やぬいぐるみにふれられるようにしましょう。これらは新しく購入する必要はありません。紙を切ってつくったり、古い靴下を丸めてつくったりすることができます。
手元に人や動物のかたちをしたおもちゃがあることで、子どものごっこ遊びの幅は大きく広がります。感情や行動をこれらのおもちゃに結びつけ、社会的スキルを伸ばしていきます。
時間を与える
ほかのどんなおもちゃを与えることよりも、子どもが想像力や創造性を発揮している場面を中断しない時間を与えることのほうが重要です。
ごっこ遊びが10分や20分では終わらないことはよくあります。子どもは、自分がつくった街や家を片付けずにリビングに置いておいてとお願いするかもしれません。
子どもがつくった箱庭を数日間同じ場所に置いてあげることで、子どもは時間に縛られずに創造的な探求活動を十分におこなうことができます。
うちの子、「これは片付けないで」って毎晩せがんでくる時期があったわ。
お子さんにとって遊ぶ時間が短かったかもしれない、ということなんですね。
子どもの世界観を否定しない
子どもは大人の言葉に影響を受けます。「そんな◯◯はないよ」「◯◯はこんなかたちじゃないよ」のような嘲笑を浴びせれば、たとえそんなつもりはなくとも、子どもは自分の想像力をふくらませるのはいけないことだと学習します。
親は子どもの自由な発想力を受け入れましょう。親が肯定的な反応を示すことで、子どもは自由であることが正しいことだと学習します。
親も一緒に参加する
子どもの心の発達のことを考えれば、他者が遊びにくわわることの効果は絶大です。
特にその子どもに対して愛情をもち、肯定的な反応を示してあげられる大人(つまりあなた)が参加すれば、子どもは積極的にコミュケーションをとろうとし、社会的スキルを伸ばしていきます。
どうしても相手をできないときは、1人で遊ばせてもよい
最近の脳に関する研究では、子どもは社会的パートナー(友人など)と遊ぶたびに脳の社会的機能領域のはたらきが強まるが、子どもが1人で人形遊びをしているときにも同様の効果がある、という結果が出ました。
この結果は、「ごっこ遊びは、たとえ子どもが1人で遊んでいるときであっても、社会的な問題解決や共感に関する能力を養うことができる」という可能性を示唆しています。
親や保育者が子どもと一緒に遊んであげるのがもっともよいことですが、それは24時間可能なことではありません。今はできないというときは、目を離さない距離で1人で遊ばせる時間にしましょう。
(参考URL:Salim Hashmi「Doll play prompts social thinking and social talking: Representations of internal state language in the brain」)
子育てを通じて親の創造性を伸ばす
大人も脳は発達する
1960年代、脳科学者のマリアン・ダイアモンドは「他人とのかかわりやおもちゃがあることは脳を発達させる」という画期的な論文を書きました。そしてこのとき実験に用いたのは人間でいえば60〜90歳に相当する中高年のラットでした。
つまり、大人あっても脳機能は新しい経験によって発達することを発見しました。
子育てはまさに、親にとって毎日新しい経験になります。親の脳も子育てのなかで形を変え、機能を発達させます。
これは育児という長い期間を、自分の成長の期間ととらえることを可能にします。
創造性はビジネススキルにつながる
親が子どもとの遊びのなかで創造性を発揮すれば、それは発想力を鍛える練習になります。
子どもを楽しませるための工夫は、顧客を満足させる体験に根底の部分でつながっています。
ごっこ遊びの効果を親が理解し、積極的に参加する機会を用意することで親自身のスキルも伸ばしていきましょう。
育児って長期だから、子どもの人生も親の人生も大切にできる時間にしたいですね。