
LANとかWANって響きがかわいいですよね。

ネットワークの種類の話ね。
LANはローカル・エリア・ネットワーク、WANはワイド・エリア・ネットワークね。

あら〜、かわいいWANちゃんですね〜。

ネットワークはそういう眼に見えるものではないわ。
こんにちは、Yunです!
PCやスマホを操作しながら、ふと「ネットワークの仕組みってどうなってるの?」「インターネットがつながる仕組みってどうなってるの?」と疑問に感じていませんか?
そんな疑問をお持ちの方に、こちらの記事ではネットワークの仕組みや基礎知識について解説します!

この記事を読めばネットワークの仕組みの基礎がわかります!

この記事は、ITパスポートや基本情報技術者の資格取得にも役立ちます。

ネットワークの種類

コンピュータどうしが情報のやりとりをするためのネットワーク(情報連絡網)のことをコンピュータネットワークと呼びます。主なコンピュータネットワークは以下の3つです。
LAN
LAN(Local Area Network / ラン)とはある特定の場所のみでコンピュータや関連機器を接続したネットワークです。
たとえばフロア内や1つの建物、1つの企業・キャンパス内でしかアクセスできないネットワークはLANと呼びます。
WAN
WAN(Wide Area Network / ワン)は地理的に離れたLANどうしを接続するネットワークです。「Wide Area」の名のとおり、LANよりも広い範囲に届くネットワークですが、このあと紹介するインターネットのように世界中とつながってはいません。
たとえばある企業の大阪支社と東京本社がネットワークでつながっているが、自宅のPCなどの外部からはアクセスできない場合、そのネットワークはWANと呼ばれます。
インターネット
インターネット(Internet)は世界中のLANやWANを相互接続した地球規模のネットワークです。インターネットに接続している機器どうしは、場所を問わずに通信することができます。
インターネットはLANやWANをつなげたものですが、通常インターネットに接続されているLANやWANは「インターネット」というかたまりに含まれていると考え、個々のLANやWANとして区別しません。
LANの接続機器

ネットワークの接続形態は、使用する機器によって変わります。ここでは、LANで用いる接続機器について説明します。
ネットワークの接続機器は大きく「伝送媒体」と「集線装置」に分類されます。
ネットワークの伝送媒体
伝送媒体とは、コンピューターや周辺機器を1対1で接続しあうときに必要な媒体です。伝送媒体は有線か無線かで変わります。
有線接続の場合はLANケーブルを通じてデータを送りあいます。
無線接続の場合はデータは赤外線や電波で通信します。この無線を使用したLANのことは無線LANと呼びます。
ネットワークの集線装置
集線装置とはネットワークに接続する「線」を1か所に「集」める機器のことです。集線装置には以下のようなものがあります。
これらは実際の家庭では「リピーターハブ」「スイッチングハブ」などの「ハブ」という機器が集線装置の役割をになっています。
集線装置の主な役割は以下の2つです。
LANではこれらの伝送媒体と集線装置を接続してネットワークトポロジーをつくります。
ネットワークトポロジー
ネットワークトポロジーとはネットワークの接続形態をさします。ネットワークはPC、サーバー、ブリッジなどの機器(ノード)がどのように接続されているかで接続形態を区別します。
ネットワークトポロジーは主に以下の3つがあります。
バス型トポロジー
1本のケーブル(バス)に機器を接続している形態のことです。現代ではあまり使われていません。
スター型トポロジー
1つの集線装置(ハブやスイッチ)から複数のケーブルでそれぞれの機器を接続している形態をスター型トポロジーと言います。現代のLANでは主流のトポロジーです。
リング型トポロジー
リング型トポロジーとは、リング状につながったケーブルに機器を接続しているネットワークの形態のことです。現代ではあまりありません。
IEEE 802規格
LANで使用する伝送媒体(有線のLANケーブル・無線の電波)には、IEEE 802委員会(アイ・トリプルイー802)によって決められた標準規格があります。

データ通信の仕組み
伝送媒体に同時に流すことができるデータ数は、通常1つです。2つ以上のデータが同時に流れた場合、データどうしが衝突し、破壊されます。そのため、ネットワーク内の送信の手順には取り決めが必要になります。
LAN内のデータ送受信の仕組み
LAN内でのデータのやりとりは、機器(ノード)間で直接おこなわれます。このとき、送るデータは宛先情報を含めた「イーサネットフレーム」として送ります。イーサネットフレームはパケット通信などの「パケット」と似たようなもので、1つ1つのデータの単位です。
このとき、各ノードに送るときの宛先を「MACアドレス」と言います。MACアドレスは原則重複しないため、それぞれのPCには異なるMACアドレスが割り振られています。
LAN内でのデータのやりとりでは、イーサネットフレーム化したデータを送るためにはまず送信先のMACアドレスを知る必要があります。
MACアドレスを聞き出すためにPCはネットワーク内の全ノードに「◯◯はいますか?」というメッセージを送ります。該当するノードがネットワーク内にいた場合、応答があって宛先がわかります。
LAN間のデータ送受信の仕組み
狭いLAN内では宛先(MACアドレス)を調べるために全ノードに調査していましたが、全世界を対象にするとノード数が多すぎて宛先ノードを特定できません。そのため全世界のノードを小単位のグループに分けて、「グループ番号+ノード番号」という形式のアドレスで管理したほうが便利になります。
この「グループ番号+ノード番号」形式のアドレスをIPアドレスと言います。宛先IPアドレスにデータを転送する際にはルーターという機器を使用します。
OSI参照モデル
OSI参照モデルは、ISO(国際標準化機構)が定めたOSIと呼ばれる通信規格に関した用語です。コンピューター通信がはじまった当初、通信方法がメーカーや機種ごとにばらばらだったため、異機種間でも通信できるようにしたのが「OSI」というプロトコルです。
このOSIは現在普及していませんが、異機種でも通信できるように設計された「OSI参照モデル」の概念は現在でも残りつづけています。
OSI参照モデルは具体的なプロトコルではなく、「機器の役割ごとにこんな風に分けてとらえてみましょう」という一種の分類方法です。
層 | ||
---|---|---|
7 | アプリケーション層 | アプリケーションごとのプロトコル |
6 | プレゼンテーション層 | 文字列や画像、音声など異なる情報の変換 |
5 | セッション層 | 通信の管理 |
4 | トランスポート層 | ノード間のデータ転送 |
3 | ネットワーク層 | アドレスの管理と経路の選択 |
2 | データリンク層 | 直接接続された隣接ノード間のデータ転送 |
1 | 物理層 | 数字の0や1を電圧や光に変換 |
OSI参照モデルと実際の機器の関係
層 | 機器 |
---|---|
ネットワーク層 | ルーター |
データリンク層 | ブリッジ、スイッチ |
物理層 | リピーター |
TCP/IPによる通信の仕組み
現在もっとも有名で一番使われいているプロトコルはTCP/IPです。このTCP/IPはOSI参照モデルを4層に簡略化した構造をもちます。
TCP/IPの層 | OSI参照モデルの該当層 |
---|---|
アプリケーション層 | アプリケーション層 プレゼンテーション層 セッション層 |
トランスポート層 | トランスポート層 |
インターネット層 | ネットワーク層 |
ネットワークインターフェース層 | データリンク層 |
(ハードウェア) | 物理層 |

TCP/IPは基本的にOSI参照モデルに当てはめて考えることができるわ。
IPアドレス
IPとは
IPはOSI参照モデルの第3層、ネットワーク層に相当します。
1つ下位のデータリンク層では直接接続された機器どうしの通信を担当していました。それに対してネットワーク層は直接接続されていないネットワーク間での通信を実現します。
離れたネットワーク間で通信をおこなうとき、データを送る宛先となっているのがIPアドレスです。
IPアドレスとは
コンピュータ通信では、通信相手の識別のためにアドレスを使います。データリンク層のブリッジやスイッチではMACアドレスを用いましたが、ネットワーク層ではIPアドレスを用います。
IPアドレスは実際には32ビットの整数値です。この数値は「グループを表す番号+ノード(PC)を表す番号」で構成されており、同じグループであればアドレスの前半部分が共通する点が特徴です。
このIPアドレスがPCやルーターごとに振り分けられます。IPアドレスは本来MACアドレスと同じく各機器に固有のものですが、PCの普及にともないIPアドレスを使い切る危険性が増してきたため、「グローバルアドレス」と「プライベートアドレス」が区別されるようになりました。
グローバルアドレスは各機器に固有のIPアドレスであり、プライベートアドレスはそのLANの内部で固有であれば、LAN外のものとは重複しても問題ないIPアドレスです。
経路制御(ルーティング)とは

IPアドレスだけではデータを宛先のPCに届けることはできません。「この宛先のときは、このルーターやPCに送る」という情報が必要です。
経路制御(ルーティング)とは、宛先IPアドレスのPCまでデータを届けるための仕組みです。
IPのルーティングはホップバイホップルーティングという方式でおこなわれます。これはネットワークの1区間を1ホップと呼び、1区間ごとに次のルートが決められる方式です。
1ホップはPCからルーターA、次にルーターAからルーターBのように通信機器ごとに区切られています。IPの特徴は、スタートからゴールまでの経路が一度に示されるのではなく、それぞれの区間で次に進む場所を示され、それを宛先PCまでくりかえしてたどり着くことです。
このように、IPアドレスを用いて最初のPCから宛先のPCまでデータを送信することでインターネットでの通信はおこなわれています。

ルーティングによって宛先IPアドレスにデータを送ることが、「データの送信」なんですね。
そのほかの通信の仕組み
インターネットの仕組みの根幹はIPアドレスですが、私たちのネットワークはIPだけで通信しているわけではありません。実際にどこかのwebページを開くときには、IPアドレスを入力するのではなくリンクをクリックしたりURLを入力したりしていると思います。
URLという文字列とIPアドレスを結びつけるには、DNSという技術が使われています。
そのほか、IPアドレスの設定を自動化するためのDHCP、プライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスに変換するNATなど、さまざまな技術によってインターネットは成立しています。
