インテリアのお仕事って憧れます。
インテリア関連の職種といえば、主にインテリアデザイナー、インテリアコーディネーター、インテリアプランナーがあるわよ。
なんか混乱しちゃいそう。ロッテリア……なんでしたっけ?
さっきはインテリアって言えてたくせに……。
こんにちは、Yunです!
資格について調べるなかで「インテリアデザイナーってどんな仕事?」「インテリアコーディネーターやインテリアプランナーとどう違うの?」と感じていませんか?
そんな疑問をお持ちの方に、こちらの記事ではインテリアデザイナーを中心に、インテリアにかかわる仕事や資格について解説します!
この記事を読むとあなたに合ったインテリア関連の職種がわかります!
インテリアデザイナーとはなにか
「インテリアデザイナー」という言葉は、職業をさす場合と資格をさす場合があります。
職種としてのインテリアデザイナー
インテリアデザイナーは主に住宅、オフィス、ホテル、旅館、店舗などの室内空間をデザインする仕事です。居住空間だけでなく車や鉄道、飛行機のインテリアを担当することもあります。また、就職先がメーカーの場合はインテリア用品をデザインすることもあります。
どちらにしてもインテリアのプロフェッショナルとしてインテリア用品の素材・色彩・形状・配置などを総合的に検討し、提案や発注、現場管理などを担当します。
ひとくちに「インテリアデザイナー」といっても、業務内容でなにが中心となるかは勤務先によって異なります。リフォーム・内装業界であればデザインから施工管理まで一気通貫で経験するような求人もあり、インテリア家具メーカーであれば商品デザインを主に任されるような求人もあります。
「デザイナー」の肩書きに縛られず、希望すればかなり幅広い業務を経験することも可能です。
けっこうなんでもありみたいですけど、ほかの職種とは違いがあるんですよね?
そうね、そのあたりはこの先で解説するわ。
資格としてのインテリアデザイナー
日本デザインプランナー協会が主催するインテリアデザイナー資格については記事の後半で解説しているので、そちらを確認してください。
インテリアデザイナーの年収
インテリアデザイナーとインテリアコーディネーターの平均年収は、厚生労働省提供の「job tag」によると以下のとおりとなっています。両者は賃金構造基本統計調査において「その他のデザイナー」でくくられているため、結果が同じとなっています。企業規模によってかなりの差があるので、あくまで目安としてください。
平均 | インテリアデザイナー | インテリアコーディネーター |
---|---|---|
年収 | 480.6万円 | 480.6万円 |
年齢 | 38.3歳 | 38.3歳 |
就業者数 | 201,100人 | 201,100人 |
インテリアプランナーについては「job tag」には記載がありませんでしたが、業務内容から考えてインテリアデザイナー・インテリアコーディネーターに近いか、やや上であると推測できます。
Google検索ではインテリアデザイナーの平均年収について410万円台とする求人サイトもあり、平均年収の数値は統計の母集団によってかなり差がでています。くり返しになりますが、平均年収はあくまで目安として確認してください。
それぞれの職種の平均年収に対する考え方については、こちらの記事でくわしく解説しています。
インテリアデザイナーの仕事内容
インテリアデザイナーの仕事は大きく分けて2種類あります。
空間デザインの場合はクライアントの希望に沿ったイメージを正確に理解するところからはじまり、イメージに合う素材・配色・形状・配置などを設定します。デザインが確定したあとは、デザインどおり実際に施工が進むか現場に立ち会って指示を出すこともあります。
インテリア用品をデザインする場合も、大きくは空間デザインと同じです。ただし、用品デザインの場合は商品開発の側面がつよいので、用途ごとの使いやすさや使ったときに得られる顧客体験(ユーザー・エクスペリエンス)を考えたり、試作品や模型をつくったりするのが特徴的です。
空間全体を考えるか、商品設計をするかって結構違いますね……。
仕事の流れ
インテリアデザイナーの仕事はきつい?
インテリアデザイナーの退職理由として多いものが「残業が多い」「休みがとりづらい」「人間関係の悩み」があります。
インテリアデザイナーの仕事は資料作成にせよ発注にせよ、つねになんらかの締め切りが存在しているため、そのスケジュールに合わせて仕事をすすめなくてはいけません。タイトなスケジュールのなかで付加価値をだそうと思うと残業をせざるをえず、こだわりの強い人ほど残業が多くなる傾向にあります。
また、クライアントワークであるためクライアントの都合に合わせた勤務時間となります。BtoCの場合、顧客が一般消費者なので商談も土日や夕方以降となりがちです。もちろんその分平日で休みをとれたり、フレックス制と採用していたりする企業も多いので、休みが土日か平日かは好みの問題ともいえます。
人間関係の悩みはどの職種にもつきものですが、インテリアデザイナーの場合はクライアントと現場の職人との板挟みに悩むパターンが多めです。双方と信頼関係を結ぶためには、インテリアデザイナーとしての仕事ぶりが相手に認められなくてはいけません。インテリアについては覚えるべきこともたくさんあるので、無資格で基礎知識のないまま採用された場合には、若いあいだに苦労することも多くあるようです。
インテリアデザイナーに向いている人
クリエイティブな仕事がしたい人
デザイナーを志す人であれば、創造的な仕事をしたいというのはほぼ全員が共通してもっている思いでしょう。
インテリアデザイナーも同様で、その創造性や個性を内装やインテリア用品、生活空間に向けて発揮したいと思える人に向いている仕事といえます。
基本的にまったく同じ現場はなく、毎回それぞれの現場に合わせた工夫が必要になる点も、インテリアデザイナーのクリエイティビティが問われます。
相手の期待に応えるのが好きな人
インテリアデザインのほとんどは、自分たちが好きにつくったものではなくてクライアントの要望に合わせて作成したものです。
もちろん事務所ごとの特徴や強みはありますが、他者に満足感を与えられないものをつくっていてはビジネスになりません。
インテリアデザイナーは相手がうまく言語化しきれていない要望までくみ取り、期待に応えたり、ときには期待を超えたりすることが求められる仕事です。
自分のやったことが相手の喜びになる、ということを楽しめるなら適性があるといえます。
大きな達成感のある仕事をしたい人
インテリアデザインは設計・商品開発の一部であり、インテリアデザイナーは複数の業者とかかわりながら仕事をすすめます。プロジェクトは規模が大きいものだと数か月から数年の単位で動くものもあり、完成までには人間関係・デザイン関係ふくめてさまざまな苦労をするのがふつうです。
たくさん苦労をしたからこそ、プロジェクトが完了して顧客が満足してくれたときの達成感は大きなものになります。
時間をかけて大きな仕事がしたい、という人にもインテリアデザイナーは向いています。
インテリアデザイナーの将来性
インテリアデザイナーの仕事はAIに奪われる?
昨今は職業の将来性について「AIに奪われる可能性」を指標とするのがひとつのトレンドとなっています。インテリアデザイナーの仕事がAIに奪われる可能性はいかほどなのでしょうか。
ウェブ上で「インテリアデザイナー 将来性」で調べると、「インテリアデザイナーの仕事は創造性が重要で人間でなければ担えない」「顧客とのコミュニケーションも重要だからAIにはできない」という趣旨の記事が複数見られます。筆者はこれには一部賛成、一部反対の立場です。
まずインテリアデザイナーをAIが担えないかというと、むしろ今後得意分野となっていくと考えられます。文章・イラスト・そのほか創作物の生成AIは現状目覚ましい進歩をとげていて、なかには人間のかわりに国際的な賞を受賞したものもあります。
インテリア分野に関しても「インテリアデザイン × AI」がコンセプトのサービス、アプリはすでにいくつか存在しています。
「人間顔負け」レベルの創造性であれば、すでにいくつかの特徴量に分解されてある程度解析可能な領域にまで科学は進歩しています。
今のAIイラストはすごいですよね!
商業的に通用するインテリアデザインはAIには(まだ)難しい
しかしAI作成のコンテンツの問題点は、クオリティが中の上レベルにとどまりやすい点です。AIは世の中に存在しているデータを参考にコンテンツを作成しているので、世間に少数しかない「特に優れたアイデア」は十分な学習データを確保できません。
またインテリア分野はまだAIの進出が十分ではなく、個人が気軽に模様替えを検討する分には便利ですが、企業が数百〜数千万円をかける価値のある内装を提案できません。
現代インテリアは絵画ほど大量に存在しているわけではないので今後もデータ学習の進展は難しいと予測できます。
世間で言われている「AIはコミュニケーションが重要な仕事では不利」というのもある程度事実でしょう。少なくとも、銀行のトレーダーの人員削減と同じレベルでインテリアデザイナーを削減できるとは考えられません。
つまり、今後AIが進歩してもインテリアデザイナーの働き口が減るほどの効果は薄いと考えられます。
インテリアデザイナーの将来性はふつう〜明るい
インテリアデザイナーは少子化の影響を受けにくい仕事です。居住空間や内装へのこだわりは世代を問わず、企業や店舗からの需要も安定しています。
前述のとおりAIによってインテリアデザイナーの仕事が奪われることも考えにくいといえます。仕事を奪われるというよりは、インテリアデザイナーが生み出す価値の最低水準がAIレベルになるというのが現実かと思います。
インテリアデザイナーもIT分野の知識が必要になるかもしれませんね。
デザイナーはPCをよく使うから、そのあたりは受け入れやすいかもね。
職業としてのインテリアデザイナーとインテリアコーディネーターの違い
インテリアデザイナーはその名のとおり室内空間やインテリア用品のデザインを考える仕事であり、なにもない状態からクライアントの希望をヒアリングし、空間・商品をイチからデザインしていきます。
インテリアデザイナーとは別に「空間デザイナー」という職種もありますが、多くの場合専門が異なるだけで業務内容としてはインテリアデザインと空間デザインは兼務されます。
このとき、既製品の家具・雑貨だけでなく、必要であればオリジナルの備えつけ家具を作成することもあるのがインテリアデザイナーの特徴です。
ただし、実際の現場では「インテリアデザイナー」「インテリアコーディネーター」の肩書きで業務内容を区別しないことも多々あります。
具体的な職務内容は職種名よりも就職先しだいであることが多く、たとえば設計事務所にインテリアコーディネーターとして採用されたときに、ゼロからの内装パース設計・照明プランの作成などを任されることはありえます。
資格としてのインテリアデザイナーとインテリアコーディネーターの違い
インテリアデザイナー資格
項目 | 内容 |
---|---|
主催団体 | 日本デザインプランナー協会 |
資格の種類 | 民間資格 |
受験資格 | なし |
1回の受験者数 | 非公表 |
合格率 | 非公表 |
受験料 | 10,000円(税込) |
学習期間の目安 | 6か月 |
インテリアデザイナー業務で代表的な検定試験はこちらの「インテリアデザイナー資格検定」です。
ただし、インテリアデザイナーをめざしている場合でも、まずはほかの関連資格について調べてからこの資格の受験を検討したほうがよいと感じています。
理由は、インテリアデザイナー資格検定には以下のような特徴があるからです。
2023年現在、インテリアデザイナー資格検定に関する公式テキストや対策問題集は市販されていません。公開されている過去問題などもなく、試験対策には公式が提携しているスクールで通信講座をとるしかありません。
またインターネット上では「インテリアデザイナー資格の合格率は約30%」という記事が複数見られますが、根拠となる公式情報が筆者には見つけられませんでした。ただし、合格基準が正答率70%以上という公式情報から考えて、かんたんに合格できる資格ではないことは推測できます。
インテリアコーディネーター資格試験と内容の重複するところもあることを考慮すれば合格率約30%というのもありえる数字だとは思いますが、やはり推測の域をでません。
受験者数・合格者数などの実数も公表されていないため、どの程度実効力のある資格なのかも不透明な部分があります。
学習期間の目安が6か月というのは、通信講座の受講期間が6か月(最短2か月)であることをもとにしています。
まとめると、インテリアデザイナー資格は「インテリアデザイナー」の名を冠する資格ではありますが、事前入手できる情報が少ない割に学習コストが高いので慎重に選択することをおすすめしています。
インテリアコーディネーター資格
項目 | 内容 |
---|---|
主催団体 | インテリア産業協会 |
資格の種類 | 民間資格 |
受験資格 | 一次試験はなし。二次試験は3年以内に一次に合格している者。 |
1回の受験者数 | 約10,000人 |
合格率 | 約25%(一次約30%、二次約60%) |
受験料 | 14,850円(税込) |
学習期間の目安 | 一次6か月、二次2か月の計8か月 |
公益社団法人インテリア産業協会が主催する「インテリアコーディネーター資格試験」はほぼ毎回1万人程度が受験している、インテリア系の資格のなかではもっとも有名な資格試験です。
試験は学科試験の一次試験と、論文・プレゼンの二次試験に分かれます。一次・二次の一発合格をめざすよりも、まずは一次試験の合格に集中し、一次合格後は、3年間の有効期間を使って二次試験の対策をするのが一般的です。
職業としてのインテリアデザイナーとインテリアプランナーの違い
インテリアプランナーは、「Planner(計画者、立案者)」の名のとおり、主に室内空間の設計・企画を担当します。ときには施工管理にかかわることもあり、業務内容は建築士に近い部分があります。実際、インテリアプランナーと建築士のダブル資格を取得している人も少なくありません。
インテリアデザイナーとインテリアプランナーの違いは、どちらも内装のデザインにかかわりますがプランナーは企画・設計・工事まで担当する点です。
プランナーのほうがデザイナーよりも建築物そのものとのかかわりが深くなるので、デザイナーより幅広い知識が必要になります。
実際の現場では「インテリアデザイナー」「インテリアプランナー」の肩書きで業務内容を区別しないことも多々あります。ただし「インテリアプランナーまたは二級建築士」を応募条件にしている求人などは、インテリアプランナーならではの仕事をできると考えられます。
資格としてのインテリアデザイナーとインテリアプランナーの違い
インテリアプランナー資格
項目 | 内容 |
---|---|
主催団体 | 建築技術教育普及センター |
資格の種類 | 民間資格 |
受験資格 | 学科試験はなし。設計作図試験は5年以内に学科に合格している者。 |
1回の受験者数 | 学科:約1,100人、設計作図:約500人 |
合格率 | 学科:約60%、設計作図:約25% |
受験料 | 学科:9,900円(税込)、設計作図:16,500円(税込) |
学習期間の目安 | 学科8か月、設計作図3か月の計11か月 |
インテイアプランナー資格試験を実施している建築技術教育普及センターは1級建築士、2級建築士の資格試験の主催団体でもあります。インテリアプランナーの内容も2級建築士の試験内容と重複する部分があり、建築士でインテリアプランナーの資格も保有しているという人も増えてきています。
学科試験を合格しただけでも「アソシエイト・インテリアプランナー」に登録することができ、その5年間の設計作図試験の受験資格を得ることができます。
難易度としては2級建築士よりは易しいが、インテリアコーディネーターより難しくなります。そもそも建築にかかわる分野に興味をもてないと学習の継続は難しいといえます。
インテリアデザイナーの資格は独学できる?
インテリアデザイナーの資格は、前述のとおり公式テキストや問題集が市販されていないため独学することができません。試験勉強には通信講座を利用する必要があります。
インテリア関連の資格では、インテリアコーディネーターとインテリアプランナーの資格は参考書や過去問題集が市販されており、独学することができます。
ただし、いずれにしても建築・インテリア系の勉強を独学する自信があればよいのですが、苦手意識がある人は資格講座などを利用することをおすすめします。特にインテリアプランナーは比較的難易度が高いので、まったくの独学ではどこかで壁にあたる可能性もあります。
色彩検定やカラーコーディネーターの資格も役立つ
インテリア関連の仕事は色彩感覚も重要なスキルとなるため、色彩検定やカラーコディネーター資格も業務に役立ちます。カラーコーディネーターの試験範囲にはインテリア用品などのプロダクトカラーに関する内容もあり、試験勉強を通じてインテリアへの理解を深めることもできます。
活躍できる人材になりたいです!