なでしこ銘柄ってなんですか?
経産省と東証が共同ではじめた、女性の活躍推進トップ企業を集めた銘柄よ。
じゃあ、なでしこ銘柄に採用されている企業に転職すれば働きやすくなるかもですね!
そうね。ただ、採用基準は厳しいから過去の採用企業や、応募企業も選択肢に含めるといいわ。
こんにちは、Yunです!
転職について調べるなかで「なでしこ銘柄ってなに?」「なでしこ銘柄に選定される基準は?」と疑問に感じていませんか?
そんな悩みをお持ちの方に、こちらの記事では女性活躍推進に優れた企業を集めた銘柄「なでしこ銘柄」について解説します!
この記事を読めば、なでしこ銘柄に選ばれた企業がどのような項目をクリアしているかがわかります!
なでしこ銘柄とはなにか
「なでしこ銘柄」は女性の活躍推進に関して高い実績をおさめた企業を採用した銘柄です。令和4年度は17業界から1社ずつの17銘柄のみであり、日本の女性活躍推進トップ企業が選ばれているというブランド価値があります。
なでしこ銘柄の歴史
なでしこ銘柄は経済産業省と東京証券取引所が共同で平成24年度から実施しています。
令和3年度までは基準に対する絶対評価であり、各業界1〜5社程度の採用企業と、「準なでしこ銘柄」という別枠の銘柄紹介もありました。
最新の令和4年度では17業界から1社ずつの選定となり、「準なでしこ銘柄」は廃止されました。
令和4年度「なでしこ銘柄」からのリニューアルポイント
令和4年度からは各社が経営戦略のなかで女性活躍推進をどのように位置づけ、その成果を企業価値向上にどうつなげるかという「ストーリー」を重視するようになりました。選定事務局は従来の選定方法が「形式的」であったと自己評価し、実績数値とストーリーの両方を見ることで企業の実質的精神を測ろうとしています。
また、報告されたデータについては採用の有無にかかわらず「女性活躍推進に積極的な企業」として事務局が公表するようになりました。
銘柄に採用されなかった企業も女性の活躍推進に十分積極的ってことですね!
令和4年度のなでしこ銘柄選定企業一覧
令和4年度は下記の17社がなでしこ銘柄に選定されました。
表のうち、「準なでしこ銘柄」は令和3年度まで選定されていましたが令和4年度から廃止されました。
なでしこ銘柄に選定されるメリット
企業がなでしこ銘柄に選ばれるメリットには以下のようなものがあります。
女性活躍推進の先進企業であることをアピールできる
なでしこ銘柄の選定企業は、女性活躍推進にかかわる多くの項目でほかの企業を上回る成績を示しています。選定企業平均の女性役員や女性取締役の比率の高さからも、女性がリーダーシップをとれる企業であることがわかります。
ESG投資の対象となれる
ESGとは、環境(Environment)・社会(Social)・企業統治(Governance)の英語の頭文字を合わせた言葉です。日本でもGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が17年度から「ESG指数」に基づく株式投資を始めたこともあり、注目度が上昇しました。
なでしこ銘柄はESGのうち、S(社会)に関係しています。「ダイバーシティ&インクルージョン」は近年多くの企業が経営理念に掲げている言葉ですが、女性が活躍できる環境をつくることで社会全体のダイバーシティ(多様性)を拡大することにつながります。
なでしこ銘柄はパフォーマンスが高い
なでしこ銘柄はTOPIX(東証株価指数)平均よりも平均的な運用成績が高くなっています。近年は米国の金利上昇など逆風材料があったものの、令和4年度のなでしこ銘柄選定企業に関しては堅調な成績を出していると言えます。
なでしこ銘柄に選定されるデメリット
なでしこ銘柄に選定されることによるデメリットは特にありません。
選定を希望する企業が応募して採用されるものであり、企業にとってなにかを強制されるようなものではないからです。
なでしこ銘柄で転職先を選ぶメリット
なでしこ銘柄は女性活躍推進の先進的企業であるため、個人の転職先の選定基準に含めることができます。なでしこ銘柄選定企業で働ければ、以下のようなメリットがあります。
日本の企業全体で見れば、ジェンダーギャップ指数2022で116位だったことが表すように、男女平等については改善すべき点が多くあります。そのようななかで日本の状況を改善しようとしているなでしこ銘柄選定企業に所属することは、先進的な風土を築こうとする会社に所属することと言えます。
日本の旧弊的な企業文化に嫌気がさしているなら、このような企業を転職先として検討するのもおすすめです。
日本のこれからをつくっていく企業と言えるわけですね!
なでしこ銘柄で転職先を選ぶデメリット
上記のようなメリットもありますが、転職希望先をなでしこ銘柄選定企業に限定することのデメリットも存在します。
なでしこ銘柄は投資対象であるため、上場企業のみが対象です。企業の多くは非上場企業であるため、上場企業を転職希望先にすることはいわゆる「大手病」につながります。
また、令和4年度のなでしこ銘柄は17業界から1社ずつしか選ばれておらず、転職先としては非常に狭き門となってしまいます。この点については令和3年度までは選定企業が40社以上あり、準なでしこ銘柄も存在していたので、令和4年度から特に厳しくなった点と言えます。
なでしこ銘柄を転職先の選択肢に含めようと考えている場合は過去の採用企業や、応募企業も選択肢に入れることをおすすめします。
なでしこ銘柄は採用とはならなかった企業についても、応募しているだけでも女性の活躍推進への高い関心があると言えます。審査条件に女性管理職比率を開示することが含まれているので、厚生労働省の女性活躍推進データベースから関連のデータを閲覧することができます。
なでしこ銘柄の選定基準と選定方法
令和4年度のなでしこ銘柄は対象約3,700社、応募300社以上というなかから17社が厳選されました。その選定については以下のような基準と手順でおこなわれました。
対象企業
すべての上場企業(約3,700社)
応募企業
令和4年度の応募企業数は312社(必要な応募資料をすべて提出したのは255社)でした。
審査条件
なでしこ銘柄は応募自体には条件がほぼありませんが、その後「審査対象となるための審査条件」が存在し、これが実質的な応募条件となっています。なでしこ銘柄の審査条件の概要は以下のとおりです。
直近のROE(自己資本利益率)がマイナスである状況とは、その企業が債務超過におちいっているということであり、上場企業ではそう多くありません(日本平均は+9~10%です)。
女性取締役の数も1名でいいので、女性の活躍推進を掲げる上場企業としては審査条件はそう厳しくありません。
あくまで最低条件、という感じですね。
定量調査
各社が報告したExcel資料から、定量調査をおこないます。 なお、定量調査の項目数は定性調査よりも多くなっています。
以下は調査項目の一部です。
「男女間賃金格差」については、女性活躍推進法及び有価証券報告書における開示義務化の動きに伴い、次年度以降項目に追加される予定です。
定性調査
各社が報告したWord資料から、定性調査をおこないます。定性調査票は各社の女性活躍推進の取りくみやその成果を簡潔に説明するようになっています。以下は質問内容の一部です。
銘柄選定企業数
17社(17業種から各1社のみ)
働きやすい企業を選べば活躍できる
上の図は、日本の女性の平均賃金が男性よりも約22.5%低いことを表しています。
先進諸国と比べて日本は女性の平均賃金が男性よりも低い傾向にあります。
女性の管理職比率も先進諸国と比べると低く、働く環境をしっかり選ばないと、女性は男性よりも損をする可能性が高くなっています。
ただし、今回紹介したように女性が活躍できる環境を用意した企業もたくさんあります。
女性にとって働きやすい環境に身を置くことで、これまで以上のキャリアを築くことができます。
仕事も私生活も両立して、人生を楽しみたいです!
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