
自動詞ってなにが自動なんですか?

「自動」は関係ないわ。「自」の字を「動詞」につけるのは、意味がその単語自体で成立することと関係しているわ。

自動詞の反対は手動詞ですか? オートマの反対だからミッション詞ですか?

自動か手動かは関係ないって言ってるでしょ!
こんにちは、Yunです!
英語の勉強をするなかで「自動詞と他動詞ってどう違うの?」「自動詞と他動詞を見分ける方法ってあるの?」と疑問に感じていませんか?
そんな疑問をお持ちの方に、こちらの記事では自動詞と他動詞の違いの解説や、特に違いが気になる単語の紹介をしています!

この記事を読めば具体的な単語ごとの自動詞と他動詞の違いがわかります!

自動詞と他動詞の違い

その動詞のあとに目的語をとる動詞を他動詞、目的語をとらない動詞を自動詞と呼びます。ある動詞が「他動詞」「自動詞」と決まっているわけではなく、英語の動詞はほとんどすべて他動詞にも自動詞にもなります。
動詞には自動詞・他動詞以外にも、規則動詞・不規則動詞や知覚動詞・使役動詞などの種類がありますが、これはすべて動詞の分類のしかたであり、「自動詞」という品詞があるわけではありません。

他動詞か自動詞かは目的語のあるなしで決まるんですね。
他動詞とはなにか
他動詞(Transitive Verb)とは目的語をともなう動詞のことです。
「transitive」の動詞形である「transfer」は「伝える」「移す」という意味の単語ですが、他動詞とはその行動を目的語(物や人)に「伝える」イメージがあります。

ちょっとなに言ってるかわかりませんね〜。
行動を目的語に「伝える」とは、その行動がなんらかの物や人を必要とするということでもあります。
たとえば、以下の例を見てみましょう。
例文 | 訳 |
---|---|
Please bring a pen. | ペンをご持参ください。 |
この文では動詞は「bring」であり、目的語は持ってこられる「a pen」です。この文は以下の形では意味をなしません。
例文 | 訳 |
---|---|
*Please bring. | (文法的に不正確) |
「Please bring.」と言われても「なにを?」または「だれを?」となるため、文意が伝わりません。
「bring」という動詞はなんらかの名詞(目的語)を要求しており、目的語があることによって完全な文をつくることができます。

その動詞が表す行為によっては、「なにを」がないと意味不明になっちゃうんですね!
目的語とはなにか
目的語(Object)とは、文中で動詞の作用を受ける名詞または代名詞のことです。
以下の例文の太字部分が目的語です。
例文 | 訳 |
---|---|
Mike loves doughnuts. | マイクはドーナッツが好きだ。 |
I put the orange cat out in the garden. | オレンジ色の猫を庭に出した。 |
Jack saw a ghost. | ジャックは幽霊を見た。 |

ちなみに名詞とは「〜が」「〜は」の助詞をつけることができる単語のことよ。
直接目的語と間接目的語

目的語は直接目的語と間接目的語に分けることができます。
直接目的語
直接目的語(Direct Object)とは、動詞による行為を直接受ける名詞または代名詞です。
例文 | 訳 |
---|---|
I know Terry. | テリーを知っている。 |
Alison caught a butterfly. | アリソンは蝶をつかまえた。 |

「蝶」は「つかまえる」という行為を直接受けたってことですね!
間接目的語
間接目的語(Indirect Object)とは、直接目的語を受け取る名詞または代名詞です。間接目的語は直接目的語の手前に置かれます。
例文 | 訳 |
---|---|
Give her the prize. | 彼女に賞品をあげてください。 |
The manager always told his staff the truth. | 部長は常に部下に真実を話した。 |

「彼女」は「賞品」を受け取る……たしかに、間接目的語は直接目的語を受けてますね。
間接目的語は前置詞句に置きかえられる場合があります。
例文 | 訳 |
---|---|
Donovan gave his sister a laptop. | ドノヴァンは妹にノートPCをあげた。 |
Donovan gave a laptop to his sister. | (同上) |
間接目的語は、動作がだれかに対して、またはだれかのためにおこなわれる場合にのみ必要になります。他動詞は直接目的語を必要としますが、間接目的語は含まれない場合があります。

日本語訳からだけでは違いがわからない部分ですね!
自動詞とはなにか
自動詞(Intransitive Verb)とは目的語をともなわない動詞です。
例文 | 訳 |
---|---|
They jumped. | 彼らは跳んだ。 |
The dog ran. | その犬は走った。 |
She sang. | 彼女は歌った。 |
これらの動詞は文意を完成させるのに「なにを」「だれを」を必要としません。
自動詞は命令文をつくるときに一語で文をつくれます。
例文 | 訳 |
---|---|
Jump! | 跳べ! |
Run! | 走れ! |
Sing! | 歌って! |

「Intransitive」とは、その動詞が物や人を要求しないことを表しているわ。

自動詞にも他動詞にもなる動詞
多くの動詞は自動詞としても他動詞としても用いることができます。
例文 | 訳 | 自動詞/他動詞 |
---|---|---|
A bird can fly. | 鳥は飛ぶことができる。 | 自動詞 |
He flew pigeons. | 彼ははとを飛ばした。 | 他動詞 |
He cannot speak. | 彼は口がきけない。 | 自動詞 |
He speaks English. | 彼は英語を話す。 | 他動詞 |

自動詞とか他動詞とかってあくまでその動詞の「はたらき」のひとつなんですね。
自動詞と他動詞で意味が大きく変わる動詞
自動詞として用いるか他動詞として用いるかで意味が大きく変わる単語もあります。
例文 | 訳 | 自/他 |
---|---|---|
He failed in business. | 彼は商売に失敗した。 | 自 |
He failed his friend. | 彼は友人を見捨てた。 | 他 |
A house stands on the hill. | 丘の上に家がたっている。 | 自 |
I can’t stand the heat. | 暑さに耐えられない。 | 他 |

これはひとつずつ覚えないといけないやつ……。

こういう単語はたくさんあるから、出会うたびに少しずつ慣れていけばいいのよ。
自動詞にしかならない動詞
「appear(現れる)」「belong(属する)」「arrive(到達する)」「die(死ぬ)」など、かならず自動詞として用いる単語もあります。
「なにかを」到達する(arrive)ことはできませんし、「なにかを」死ぬ(die)こともできません。これらの動詞に目的語をつけることはできません。

こういうのは一部の単語なんですね。
自動詞と他動詞の見分け方

文を見て判断する場合
文を見て、その動詞が自動詞か他動詞かを判断する場合、目的語があれば他動詞、なければ自動詞と判断できます。

これはけっこう簡単かも!
単語の意味をもとに自動詞か他動詞か判断する場合
たとえば「marry(結婚する)」が自動詞か他動詞かなど、一文は存在せず単語の意味からだけで判断する場合は注意が必要です。
日本語訳から考えると「結婚する」には「だれと」が必要に思えますが、英語ではこのような意味の表現を名詞(目的語)でとることもあれば前置詞句でとることもあります。前置詞句であれば自動詞となります。
ちなみに「marry」は他動詞なので「〜と結婚する」の表現では直後に名詞がきます。
例文 | 訳 |
---|---|
I don’t want to marry Robert. | ロバートとは結婚したくない。 |
ただし似たような意味の表現「get married」は「〜と結婚する」の表現では直後に前置詞句を置きます。
例文 | 訳 |
---|---|
She got married to someone she met at college. | 彼女は大学で出会った人と結婚した。 |
このように単語の意味からだけ判断する場合は、知識が必要となります。疑問に感じるたびに辞書等で調べ、英語ではこれらの単語をどのように分類しているかを調べるようにしましょう。

これは少しずつ覚えるようにします……。
句動詞における自動詞と他動詞
複数単語からなる動詞である句動詞も、自動詞または他動詞に分類することができます。これは通常の動詞と同じく目的語をとるかとらないかで判断します。
例文 | 訳 | 自/他 |
---|---|---|
I hope Cindy doesn’t give up. | シンディがあきらめないことを願っています。 | 自 |
Cindy has decided to give up sweets while she diets. | シンディはダイエット中、お菓子をやめることにしました。 | 他 |
Our plane will take off in twenty minutes. | 私たちの飛行機はあと20分で離陸します。 | 自 |
I always take off my shoes on a long flight. | 私は長時間のフライトでは必ず靴を脱ぎます。 | 他 |
「give up」は自動詞であれば「あきらめる」を表し、目的語があれば他動詞となり「なにかを我慢する」を表します。
「take off」は自動詞であれば「離陸する」となり、他動詞であれば「取り除く」となります。

考え方は一単語の動詞と同じですね。
自動詞と他動詞が気になる単語の例
think
「think」は自動詞では「think of」「think about」など前置詞をともなって使います。他動詞としては「I think that ~」などのようにthat節をともないます。
例文 | 訳 | 自/他 |
---|---|---|
Don’t you ever think about other people? | 人のことを考えたことはありますか? | 自 |
When I said that I wasn’t thinking of anyone in particular. | その話をしたとき、特に誰かのことを意識していたわけではありません。 | 自 |
I didn’t think (that) you liked sports. | あなたがスポーツを好きだとはおもいませんでした。 | 他 |
「think about」は「考慮すること」であり「think of」は「心のなかにイメージすること」という違いがあります。
use
「use」は通常他動詞ですが、自動詞で使うと「薬物を使用している」という意味のスラング(俗語)になります。
例文 | 訳 | 自/他 |
---|---|---|
Can I use the photocopier? | コピー機を使ってもいいですか? | 他 |
She’s been using since she was 13. | 彼女は13歳から薬物を使用している。 | 自 |
say
「say」は通常他動詞です。「人に」を表す場合は「to + 人」のかたちをとります。
例文 | 訳 | 自/他 |
---|---|---|
She said nothing to me about it. | 彼女はそれについて私になにも言わなかった。 | 他 |
tell
「tell」も通常他動詞です。「say」と異なり、間接目的語をとることができます。
例文 | 訳 | 自/他 |
---|---|---|
The advertisement told us very little about the product. | その広告は私たちに製品のことをほとんどなにも伝えていなかった。 | 他 |
He told the news to everybody he saw. | 彼は見た人全員にそのニュースを話しました。 | 他 |
上の例では、「us」が間接目的語です。「人に」を前置詞句で表す場合は「to + 人」のかたちで表します。
sit
「sit」は通常自動詞です。似た意味の動詞である「seat」は他動詞です。
例文 | 訳 | 自/他 |
---|---|---|
Just sit still! | じっと座ってて! | 自 |
He seated himself behind the desk. | 彼は机の後ろに座った。 | 他 |
Please be seated. | 着席してください。 | 他 |
「be seated」は他動詞である「seat」を「be + 過去分詞」のかたちで用いた受動態になっています。直訳すると「(あなたを)座らせてください」となります。
自動詞と他動詞の違いがわかれば変わること
自動詞か他動詞かは英語でなにかを表現しようとすればかならずつきまとう問題です。
自動詞と他動詞の違いがわかれば以下のような点に注意して表現することができるようになります。
独学では難しいと感じるときは、英会話教室や通信講座を活用しましょう。あなたの理解に合わせて、集中的に学習することができます。
