IQとEQって結局どう違うんですか?
IQとEQでは測っている能力が違うから、関係するビジネススキルも異なるわ。
野Qと卓Qのようにですか?
野球も卓球も関係する知能指数は今のところないわ。
こんにちは、Yunです!
知能や認知能力について調べるなかで「IQとEQの違いは?」「IQとEQはどっちが重要なの?」と疑問に感じていませんか?
そんな悩みをお持ちの方に、こちらの記事では先行研究をもとにIQとEQの特徴の違いやそれぞれの伸ばし方を解説します!
この記事を読めば、IQとEQの特徴の違いがわかります!
IQとEQの違い
項目 | IQ | EQ |
---|---|---|
意味 | 言語処理、知覚推理、ワーキングメモリー、処理速度などを評価するために設計されたいくつかの標準化されたテストから導き出されるスコア | 感情の理解や調節、利用などに関する能力を測定するための標準化されたテストから導き出されたスコア |
能力 | 情報理解、推論、単語理解、数学的スキル、無関係な情報を排除する能力 | 自分や他人の感情を理解し、調節し、利用する力 |
関係するビジネススキル | 問題解決、ロジカルシンキング、仮説思考など | 共感力、リーダーシップ、チームマネジメントなど |
IQにしてもEQにしても、つきつめれば「数値」であるというところがポイントよ。
検査を受けるときはどのような計算式で導かれているのかも注意が必要ね。
IQとはなにか
IQ(Intelligence quotient)とは、人の総合的な心理的能力を表すために使用される数値です。
多くのIQテストは、受験者のスコアを同じ年齢グループの他の人の平均スコアと比較することによって計算されます。
IQが表す能力には以下のようなものがあります。
EQとはなにか
EQ(Emotional quotient)とは、感情を認識、制御、評価、表現する能力を指します。
EQが表す能力には以下のようなものがあります。
IQの測定方法
現在の主流な知能検査(IQの測定方法)は「ウェクスラー式知能検査」または「田中ビネー式知能検査」です。
知能検査には個別方式と集団方式がありますが、上記2つはどちらも個別方式で、1対1で受検者が作業をおこなうことで知能を測定します。
EQの測定方法
現在、EQの主な測定方法には以下のものがあります。
MSCEIT(Mayer-Salovey-Caruso Emotional Intelligence Test/メスキート)はEQを提唱したジョン・メイヤーとピーター・サロヴェイらが作成したテストで、人物や風景の写真なども用いた一連の質問を通じて受検者のEQを測定します。
MSCEITはアメリカの多くの企業や団体で採用されていますが、残念ながら今のところ日本語には対応していません。
そのため現状日本で気軽にEQを測定しようと思うと、ネット上にあるオンライン診断を活用せざるを得ません。
EQのオンライン診断については、IQのオンライン診断と同じ問題がつきまといます。つまり、問題数の少なさや時間制限がないこと、母集団の数の問題などから信頼性に疑問が残ります。
現状のEQについては、数値そのものにこだわるよりもEQという概念やEQの構成要素について理解し、知能がIQに限らないという認識をビジネスや人生に活かすのがよいと言えます。
それでもEQのオンライン診断を希望する場合は、ベストセラー本『EQ こころの知能指数』の著者ダニエル・ゴールマンが考案したと言われる問題を用いた「EQ診断 ~ A Real Me」がおすすめです。
EQは点数よりも、「EQを高めよう」という意識が大切ということですね。
IQとEQのどちらが重要なのか
IQは、特に学業成績との関係が高いと支持されています。IQが高い人は、学校の成績が良く、大人になってからの収入が多く、健康である傾向があります。
しかし今日の研究者の間では、人生や仕事の成功はIQだけでは決まらないというのが定説です。仕事の能力とIQの相関関係については、従来の分析手法そのものに疑問が投げかけられています(参考文献:英語)。
現在は、人生や仕事で成功するにはむしろEQ(心の知能指数)が深く関わっていると考える専門家も少なくありません。従業員のEQを伸ばすことが組織の成功やリーダーシップの育成につがなると示唆する研究もあります(参考文献:英語)。
EQが感情にかかわる知能指数である以上、社会性や幸福感などはIQよりもEQの高さが影響します。それによって、人生の成功にはEQのほうがIQよりも重要だと考えることもできるかもしれません。
筆者はIQもEQもどちらも重要であると考えています。ただし、EQのほうが知名度が低い分、無視されやすい傾向にあることは留意する必要があると感じています。
IQが高いことがすべてじゃないって考え方が大切なんですね。
IQとEQに影響するもの
IQもEQも環境要因の影響を受ける可能性があります。
IQは従来、生来的な能力で後天的には変化しないと考えられてきましたが、現在は環境によって変化することが知られています。IQスコアに影響すると考えられている要素は受けた教育の質・家庭の経済状況・健康状態・受検のモチベーションなどです。
EQもまた、環境要因の影響を受ける可能性があります。2009年の研究では、この研究自体では生い立ち・経験・過去のトラウマなどがEQに影響しないという結果になりましたが、先行研究では虐待などを含む家庭環境が気質形成に影響する可能性が示唆されていることが紹介されています(参考文献:英語)。
IQを向上させる方法
視覚処理能力を高める
視覚処理の力を高めるトレーニングには以下のものが効果的です。
推論力を高める
知覚推理の力を高めるトレーニングには以下のものが効果的です。
言語能力を高める
言語処理の力を高めるトレーニングには以下のものが効果的です。
EQを向上させる方法
自分を見つめる時間をとる
自己理解を深めることは自己の感情認識に関係するため、EQを高めることにつながります。
他人の話を聞く時間をとる
単に他者と会話するのではなく、相手の言葉を聞く時間をつくることを意識しましょう。相手の言葉と感情の理解に徹する時間をつくることは、あなたのEQを向上させます。
マインドフルネスを実践する
マインドフルネスとは、現在の一瞬に全神経を集中する取りくみです。神経を研ぎ澄ますため、自己の感情のプロセスを理解するのに役立つ可能性があります。