
自己効力感って自尊心と違うんですか?

自己効力感は能力に対する感覚よ。「自分ならできる」と思える感覚のことで、「できないことがあっても自分は大切」と感じる自己肯定感とは異なるわ。
こんにちは、Yunです!
モチベーションについて調べるなかで「モチベーションを心理学的に理解したい」「モチベーションの理論をくわしく知りたい」と感じていませんか?
そんな悩みをお持ちの方に、こちらの記事ではモチベーション理論にかかわる自己肯定感について解説します!
この記事を読めば、自己効力感をもつことがモチベーションアップにつながることがわかります!

自己効力感とはなにか

自己効力感とは、「自分がある状況において、必要な行動をうまく遂行できる」という感覚のことです。これは1970年代にスタンフォード大学のアルバート・バンデューラによって提唱されました。
自己効力感の重要性
「自分ならできる」と思える感覚をもつことは以下のようなメリットがあります。
レジリエンスを高める
自己効力感の高い人物は、精神的にタフになり、逆境におちいったとしても速いスピードで精神状態を回復することができます。
チャレンジ精神をもてる
「自分ならできる」という感覚は、その人物をより高い壁を越えることに挑戦させます。企業がその人物に適度な責任とタスクを与えられるなら、自己効力感が高い社員はやりがいを感じ、企業に対する所属意識を強めることにもつながります。
モチベーションを高める
自己効力感はモチベーション管理においても重要な感覚となります。
自己効力感は達成できるという信念であり、モチベーションは達成したいという意欲であるため、本来この2つはそれぞれ独立した概念です。しかし、自己効力感が高い人物はモチベーションも高くなりやすく、その逆も同様であることがわかっています。

モチベーションと自己効力感はつながっているんですね!
自己効力感と自己肯定感の違い
自己効力感と自己肯定感は語感は似ていますが、似て非なる概念です。
自己効力感は自己の能力に対する感覚です。さまざまな状況で自分が成功できるかについての感覚とも言えます。
それに対して、自己肯定感は自分自身の存在に対する感覚です。自分の価値を認め、自分を尊重する感覚とも言うことができます。自己肯定感は、本質的に自身の能力の高低を問題としません。
自己効力感と自信の違い
自己効力感を自信と言い換えることは可能ですが、正確に一致する置き換えではありません。
自信はより一般的な感覚であり、「自分に自信がある人」という表現は自己効力感も自己肯定感も含めた感覚を有している状況をさして使われることがあります。
自己効力感は能力に限定した用語であり、ある分野(たとえばサッカー)に対しては自己効力感が高いが、別の分野(たとえば野球)では自己効力感が低いという凹凸があるのがふつうです。

自己効力感は根拠のある自信って感じですかね〜。

自己効力感の4つの要因
- 過去の行動成果の認知
- 代理経験
- 社会的説得
- 生理的状態
自己効力感の要因① 過去の行動成果の認知
これは「これまでの自分が残してきた結果を知ること」と言い換えられます。
行動成果の認知は上司からのフィードバックなどによって得ることができるもので、あなたがおこなってきた行動がどのような成果に結びついてきたかを客観的な視点で得ることが重要になります。
自己効力感の要因② 代理経験
これは「自分ができそうかどうかを他者の行動観察によって判断すること」と言い換えられます。
自分がもつタスクと似たような内容を他者が達成していると、「それなら自分でもできるはずだ」という感覚につながります。
自己効力感の要因③ 社会的説得
これは「他者からのポジティブな声かけ」と言い換えられます。
上司や同僚からの期待を込めた声かけを得ることで、自己効力感が高まります。
自己効力感の要因④ 生理的状態
これは「体調・メンタルの状態」と言い換えられます。
自己効力感は身体的・心理的状態によって左右されます。精神的な不安が強い状態では自己効力感は低くなる傾向があります。

健康第一ってことですね!
自己効力感の高め方

ここまでで述べた自己効力感の要因を満たすことが、あなたやあなたの部下の自己効力感を高めることにつながります。
こまめなフィードバックをおこなう
プロジェクトが完了した際や報告を受けた際には、相手にフィードバックを与える習慣をもちましょう。このとき相手が自覚している感覚だけでなく、相手が気づいていない結果を認知させることが効果的です。視野を広げさせることでメタ認知能力が高まり、より客観的で正確な自己認知ができるようになります。

褒めないといけないわけじゃないんですね!
タスクを任せる際には、参考となる資料やロールモデルを示す
相手の自己効力感を高めるためには、「自分でもできそうだ」と思えるような参考となるモノ・人を示すようにしましょう。
このとき「あいつでもできたんだから」という言い方をするとプレッシャーを強めてしまい、かえって相手の自己効力感を削ぐことになります。あくまで相手が自然と「これならできるかもしれない」と感じるために必要なものを与えることが大切です。
相手への期待を示す
周囲からの期待は相手の自己効力感に大きく影響します。この期待はかならずしも明言して伝える必要はありません。役職を与えたり、相手の意見を尊重したりすることで間接的に期待感を伝えることができます。
過度なプレッシャーを与えない
相手の精神状態を崩すことは、自己効力感を大きく低下させることになります。強迫的なコミュニケーションの取り方はもちろん避けなければいけません。
それだけでなく上記の「フィードバックをおこなう」「期待感を示す」などもやり方次第では相手のプレッシャーを過度に高めることになります。なにごとも適度におこなうことが重要になります。
