EQとは? EQが高い人はどんな人? 伸ばし方は?【心の知能指数】

ビジネススキル
新卒ちゃん
新卒ちゃん

もっと人の気持ちがわかる人間になりたいです〜。

バリキャリ先輩
バリキャリ先輩

自分や相手の感情を認識したり利用したりする能力をEQというわ。

EQを伸ばせば、いまみたいに落ち込む気持ちもコントロールしやすくなるわよ。

新卒ちゃん
新卒ちゃん

EQ? 宇宙人ですか?

バリキャリ先輩
バリキャリ先輩

それはE.T.よ。

こんにちは、Yunです!

ビジネススキルについて調べるなかで「EQってなに?」「EQが高い人ってどんな人?」と疑問に感じていませんか?

そんな悩みをお持ちの方に、こちらの記事では複数の先行研究をもとにEQが高い人の特徴や、EQを構成する要素を解説します!

この記事はこんな人におすすめ!
  • 心理学におけるEQとはなにか知りたい人
  • EQが高い人の特徴について知りたい人
  • EQを向上させるにはどうしたらいいか知りたい人
記事の内容まとめ
バリキャリ先輩
バリキャリ先輩
  • EQとは自分と周囲の感情を正しく認識し、調節し、利用する能力をさすわ。
  • EQが高い人は共感やポジティブシンキングに長け、リーダーシップを発揮しやすくなるわ。
  • EQを伸ばすためには、自分や他人がどんな刺激に対してどんな反応を示すかに意識を向けるといいわ。

この記事を読めば、EQの高さがビジネスや人生の成功につながることがわかります!

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EQとはなにか

EQ(Emotional Quotient)は自分の感情を理解して調節する能力と、周囲の人々の感情を認識して影響を与える能力をさします。

この用語は、1990年に研究者のジョン・メイヤーとピーター・サロベイによって提唱され、後に心理学者のダニエル・ゴールマンによって一般化されました。

EQは従来のIQ(Intelligence Quotient)に対義される語で、日本では「心の知能指数」と訳されます。EQは「Emotinal Quotient」の略ですが、欧米ではEI(Emotional Intelligence)という言い方も一般的です。

EQが高いことと明るい人であることの違い

EQが感情にかかわる能力をさすことから、元気で明るく友人の多いタイプがEQの高い人であるという誤解をもつ人もいますが、EQが高いことは、性格の明るい・暗いとは本質的に無関係です。

EQとは感情の認識と調節にかかわる一種の知的能力です。EQはある感情をひき起こす要因を理解し、出来事に対して選択的に反応であり、真にEQが高い人は明るく振る舞うことも落ち着き払うことも意識的におこなうことができます。

明るい性格で友人の多い人は社交的で共感力が高い可能性はありますが、その人物がものごとに反射的に明るく反応していたり、相手の感情を無視して騒ぐだけなのであればEQが高いとは言えません。

EQが高いことの重要性

動物にとって本能は生存を維持する重要な機能です。ヒトもまた動物である以上、本能的な感情が意思決定に影響していると考えることは合理的です。EQはこの感情部分を理性的に処理する能力です。

EQを伸ばすことができると、以下のようなことが可能になります。

EQを鍛えるメリット
  • 反応する前に考えられるようになる。
  • 自己認識が向上する。
  • 他者への共感をもてるようになる。

EQが高い人の特徴

EQが高い人には、以下のような特徴があります。これらは、このあと紹介するEQを構成する要素をミックスした結果生じた形質と言えます。

EQが高い人の特徴
  • 批判と責任を受け入れることができる。
  • ミスをしても次に進むことができる。
  • 必要なときに断ることができる。
  • 自分の気持ちを相手に伝えることができる。
  • 誰にとっても役立つ方法で問題を解決できる。
  • 他者への共感をもてる。
  • 優れたリスニングスキルを持てる。
  • 自分がしていることをする理由がわかる。
  • 愚痴や批判を抑えることができる。
新卒ちゃん
新卒ちゃん

EQが高いことのメリットはたくさんあるんですね!

EQが低いことのデメリット

EQが低いことのデメリットは、EQが高いことのメリットの裏返しです。

EQが低いことのデメリット
  • 環境や周囲の発言に対して反射的に反応してしまう。
  • 自己認識と他者からみた自分像のずれが大きくなる。
  • 他者に共感することが苦手になる。 

EQが低い人には、以下のような特徴があります。

EQが低い人の特徴
  • 無駄な議論に時間をかけやすくなり、仕事の生産性が低かったり残業が増えたりしやすい。
  • 人間関係の質が低くなりやすく、表面的な関係になりやすい。
  • 感情の整理がうまくできず、とりみだしやすかったり、怒りっぽかったり、落ち込みやすかったりする。

EQが高いことのデメリット

EQは一種の知性であり、EQが高いことそのものにデメリットはありません。

ただし、EQは高いけれど道徳心が低い場合や、EQを構成する要素の一部だけが高くほかが低い場合、EQは高いのに成功を逃す、ということはありえます。

EQは高いのに成功を逃す場合
  • 創造性や革新性に欠ける場合がある。
  • 他人が傷つくことを恐れすぎて、厳しい指摘を避けることがある。
  • 感情の利用技術を詐欺やごまかしなどに悪用されることがある。

個人の性格と創造性の関係を調べた研究では、共感力の高いことは創造性や革新性とは結びつきづらい可能性が示唆されています。

また、EQと人の行動の関係を調べた研究では、高いEQはその能力を悪用する方向に人を向かわせる場合があることも指摘されています。

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EQを構成する4つの要素

EQを構成する要素について、米ベストセラーEmotional Intelligence』の著者ダニエル・ゴールマン氏は以下のように分類しています。

EQの4つの要素(『Emotional Intelligence』より)
  • 自己認識(Self-awareness)
  • 自己管理(Self-management)
  • 社会的認識(Social awareness)
  • 関係の管理(Relationship management)

これらは日本では主に以下のように整理されています。

日本版EQを構成する4つの要素
  • 感情の識別
  • 感情の利用
  • 感情の理解
  • 感情の調整

自己認識(Self-awareness)

自己認識はEQにおける核心となる認知内容です。自身の長所と短所を認識することだけでなく、自分の感情やそれが自分とチームのパフォーマンスに与える影響を認識する能力をさします。

ハーバード大の研究によると、5年間の調査の結果、人びとの95%が「自分は自己認識ができている」と回答しましたが、実際に正しく自己を認識している人は全体の10〜15%でした。この研究では、自己認識に欠けた同僚と一緒に仕事をすることはチームにとって成功する可能性を下げ、ストレスが増加し、モチベーションが低下することにつながることが示唆されています。

自己管理(Self-management)

セルフマネジメントという言葉は一般的な用語ですが、EQにおける自己管理とは、ストレスの多い状況で自分の感情を管理し、ポジティブな思考を保つ能力をさします。

感情の自己管理能力に欠けるリーダーは、衝動を抑えるのが苦手で、すぐに感情的に反応する傾向にあります。

特にストレスの多い状況で自分の感情を管理し、挫折しても前向きな見方を維持する能力を指します。自己管理を欠いているリーダーは、反応する傾向があり、衝動を抑えるのに苦労します。

社会的認識(Social awareness)

社会的認識とは、組織内や自分の周囲にいる他者の感情を認識する能力をさします。

この能力に長けたリーダーは高い共感力をもちます。同僚の気持ちや視点を理解しようと努力することで、同僚とより効果的にコミュニケーションを取り、協力することができます。

関係の管理(Relationship management)

EQにおける関係の管理とは、周囲に影響をあたえ、指導やコーチングをおこない、課題を解決する能力をさします。

周囲とのトラブルに対しては、面倒をきらって時間が解決するのを待つ人も多いかもしれません。しかし、意味のある衝突を避けることによるデメリットは多大です。

米Vaital Smarts社がおこなった650人以上を対象とした調査によると、放置されたもめごとは社員をゴシップや非生産的な行動に向かわせ、平均1,500ドルと1日8時間の労働時間を無駄にしています。

新卒ちゃん
新卒ちゃん

ひとくちに感情といってもいろいろ関係しているんですね〜。

EQに関するその他の分類

EQはもともとエール大学のピーター・サロベイ博士とニューハンプシャー大学のジョン・メイヤー博士が1990年に初めて論文「Emotional Intelligence」で発表した概念です。

この論文では、EQを構成する要素について以下の分類が示されていました。

Salovey P, Mayer J. Emotional Intelligence. Imagination, Cognition, and Personality. 1990;9(3):185-211.
サロベイ、メイヤー両博士によるEQの要素の分類
  • 感情の評価と表現(Apprraisal and Expression of Emotion)
  • 感情の調節(Regulation of Emotion)
  • 感情の利用(Utilization of Emotion)

感情の評価と表現

これは感情の認知に関する内容で、自己の感情認識(言語・非言語を含む)と、他者の感情認識をまとめた項目です。他者の感情を認識することは、共感力につながることも示されています。

この能力が高い人は、たとえば自分の誤りを素早く認識して修正したり、他者に対して思いやりのある行動をとりやすくなります。

感情の調節

「感情の調節」も自己の調節と他者の調節をまとめた概念です。自己の感情の調節能力が高い人は前向きな姿勢や高いモチベーションを保ちやすくなります。

他者の感情の調節能力が高い人は周囲のモチベーションの上げ方に熟達しており、リーダーシップやカリスマ性を発揮します。この論文では、他者の感情の調節能力が高いことの負の側面として、詐欺や反社会的活動への誘惑などに悪用されることがある点を指摘しています。

感情の利用

「感情の利用」は認識し、調節した感情をなんらかの目的のために意図的に利用することをさします。これは人生の成功や幸福に密接に関係します。

感情の利用に長けた人は高い柔軟性や創造性、ストレス対応力、モチベーションをもちます。このことは高額を稼げる仕事につく可能性が高まるだけでなく、たとえお金が稼げなくても幸福を感じられる力が増すことにつながると指摘されています。

EQの伸ばし方

EQのトレーニング方法
  • 聞き方を意識する
  • 共感のしかたを意識する
  • 反応のしかたを意識する

聞き方を意識する

相手の感情を知るためには、まず相手の話を聞くことが重要であることは多くの人が知るところです。

注意すべきは、このときに言語コミュニケーションだけでなく非言語コミュニケーションにも意識を向けることです。

自分が論理的な人間であると感じている人ほど、相手が「なにを言ったか」を重視し、「どのように言ったか」を無視する傾向にありますが、感情の認識のためには「どう言ったか」はとても重要な要素です。

相手がなんらかの感情(怒り、悲しみなど)をなどを抱いていると感じたら、その感情の背景にある要因にまで注意を向けるようにしましょう。

共感のしかたを意識する

コミュニケーション力を向上させるための手法として、ひたすら相手の話を聞き「気持ちはわかるよ」と同意することをうながすことを推奨する本がよくあります。

これは間違いではありませんが、相手の視点に立たずにただ同意を口にすることはかえって軽薄な印象を抱かれかねません。大切なのは、限りなく相手の立場に近い視点をもつことです。

相手と同じ生い立ち、環境、状況であれば自分はどうなっていたかを想像してみましょう。人の能力の半分は遺伝で形成されますが、もう半分は環境に支配されると言われています。本当に相手の立場に立てば、自分も相手と近い感情をもっている可能性は十分あります。

直面している課題次第では、共感しておしまい、というわけにはいかないかもしれませんが、それはまた別の能力の問題です。こと共感に関しては、相手の感情を深く理解することに努めましょう。

相手の立場や感情を理解し、自分をそれに重ねるスキルが身につくことは、長期的にみてあなた自身の感情調節スキルを向上させる効果もあります。

反応のしかたを意識する

嬉しいことやストレスのかかることがあったときに、それらの刺激がどのように自分の感情や意思決定を左右しているかを意識しましょう。

ほかの人が感情的になっている場面を見たら、どんな要因がどのような反応を生み出すかを観察してみてください。

「なにが人をこのように行動させるのか?」「あなたの反応のしかたはほかの人とどう異なるのか?」これらを意識することは感情のプロセスについて深く考えることであり、あなたのEQを高めることにつながります。

金融初心者にもわかりやすいマネーセミナーが毎月全国各地で開催中!/
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