不定詞って名前がわかりにくい!
不定詞の「不定」って何なんですか?
用法が限定されていない、つまり用法が「不定」なの。
通常の動詞は「動詞」として使うことが決まっているけど、不定詞は名詞や形容詞、副詞として使えることが理由ね。
プー太郎みたいに定職につかない品詞……つまり「プ定詞」ってことですか?
……プ定詞はわかりやすいの?
こんにちは、Yunです!
英語の勉強をするなかで「不定詞の使い方ってどんなの?」「不定詞の用法ってどう使い分けるの?」と疑問に感じていませんか?
そんな疑問をお持ちの方に、こちらの記事では不定詞による表現や、不定詞の時制や受動態について解説しています!
この記事を読めば不定詞の使い方がわかります!
不定詞とはなにか
不定詞とは、動詞を名詞・形容詞・副詞のように用いるための動詞のかたちです。句動詞であっても不定詞にすることができます。
不定詞は通常「to + 動詞の原形」のかたちをとりますが、「to」がつかない不定詞もあります。
なんか便利そうです。
不定詞と動詞の違い
不定詞が表す内容は、ある動作の具体的な実例ではなく、より抽象的で一般的な概念としての動作です。
例文 | 訳 | 補足 |
---|---|---|
It’s good thing to help someone. | 誰かを助けることは良いことだ。 | 不定詞 |
I helpedsomeone I didn’t know his name. | 名前も知らない人を助けた。 | 動詞 |
上記の例では、「to help someone」は実際に誰かを助けたのではなく、世の中にある「人助け(誰かを助けること)」全般をさしています。文中の実際の動詞は「is」です。
「helped someone」は具体的な実際の出来事であり、「I」は「help」という行為を実行しています。
不定詞は文の動詞にはならず、その動作の概念を表す語句になるのよ。
不定詞の種類
不定詞には「to + 動詞の原形」のかたちの「to不定詞」(To-infinitive / Full Infinitive)と「to」がつかない「原形不定詞」(Bare Infinitive)があります。
多くのテキストで「不定詞」と言えば「to不定詞」をさします。この記事でも特に言及する場合をのぞいて「to不定詞」の意味で「不定詞」の語を用います。
不定詞の3つの用法
「to不定詞」のはたらきは、以下のとおり大きく3種類に分類できます。
不定詞の名詞的用法
不定詞を文の主語や目的語などとして用いるとき、そのような不定詞の使い方を名詞的用法と呼びます。
主語としてはたらく不定詞
不定詞は文の主語となることがあります。このとき「〜することは[が]」などと訳し、不定詞は一般的なその動作そのものを表します。
例文 | 訳 |
---|---|
To love someone requires patience and understanding. | 人を愛することは忍耐と理解力が必要です。 |
To go this late seems pointless. | こんな遅くに行くのは無意味に思える。 |
このように to不定詞を文頭にもってくることは話し言葉ではあまりありません。
目的語としてはたらく不定詞
不定詞は他動詞の目的語となることができます。このときは通常「〜することを」と訳します。
例文 | 訳 |
---|---|
I love to swim. | 泳ぐことが大好きです。 |
He wanted to cry. | 彼は泣きたかった。 |
I can’t wait to see him! | 彼に会うのが待ちきれません。 |
「wanted to cry」は直訳すると「泣くことがしたかった」となりますし、「can’t wait to see him」は「彼と会うことを待てない」となります。
他動詞や目的語についてはこちらの記事で解説しています!
補語としてはたらく不定詞
「I am a boy.」の「a boy」のように、「主語 = ◯◯」の構造をもつ○○部を補語と呼びます。不定詞は補語となることもできます。訳し方は「…は〜だ」となります。
例文 | 訳 |
---|---|
Our aim is to improve. | 私たちの目標は改善です。 |
不定詞の名詞的用法についてはこちらの記事でくわしく解説しています!
不定詞の形容詞的用法
不定詞を名詞のあとにつなげて使うと、名詞の意味を補足したり説明したりする形容詞的用法となります。
例文 | 訳 |
---|---|
We need a hero to save us. | 私たちを救ってくれるヒーローが必要です。 |
Would you like something to drink? | 何かお飲み物はいかがですか? |
It was a dumb thing to say, and I regret it. | ばかげたことを言ってしまい、 申し訳ありませんでした。 |
不定詞の形容詞的用法についてはこちらの記事でくわしく解説しています!
不定詞の副詞的用法
不定詞の副詞的用法は行為の目的や結果、感情の理由の表現などさまざまなはたらきをもちます。
目的や意図を表す
不定詞は誰かがなんらかの行為をする理由や目的・意図を説明できます。通常「〜するために」と訳します。
例文 | 訳 |
---|---|
She studies hard to get good marks. | 彼女は良い成績を取るために一生懸命勉強します。 |
He gave up cakes to lose weight. | 彼は体重を減らすためにケーキを絶った。 |
I’m calling you to ask for your help. | あなたに手伝ってほしくて電話しています。 |
結果を表す
不定詞は行為の結果を表現することがあります。ただし、これは話し言葉ではあまり用いられません。
例文 | 訳 |
---|---|
He grew to be a great scientist. | 彼は成長して立派な科学者になった。 |
She arrived home to receive a letter from her bank. | 彼女は家に着くと銀行からの手紙を受け取った。 |
感情や判断の理由を表す
不定詞は感情や判断を表す形容詞の後につづけることで、そう感じた理由を補足できます。
例文 | 訳 |
---|---|
It will be easy to do. | それは簡単にできます。 |
He was angry to hear about getting fired. | 彼はクビになったと聞いて怒っていた。 |
I am reluctant to quit my job. | 私は仕事を辞めるのをためらっています。 |
不定詞の名詞的用法についてはこちらの記事でくわしく解説しています!
不定詞のその他の用法
「動詞 + 不定詞」または「形容詞 + 不定詞」のかたちは、「動詞の意味が不定詞の意味に向かっていく」ことを表す場合があります。
これらは日本語としては規則的な訳を当てはめづらく、個々の動詞・形容詞の語法として覚える必要があります。
「動詞 + 不定詞」の慣用句的用法
例文 | 訳 |
---|---|
He came to see the danger. | 彼はその危険を悟った。 |
She failed to answer the letter. | 彼女は手紙の返事を出さなかった。 |
I couldn’t bring myself to disappoint her. | 私は彼女を失望させる気になれなかった。 |
「形容詞 + 不定詞」の慣用句的用法
例文 | 訳 |
---|---|
He is anxious to go. | 彼はしきりに行きたがっている。 |
It is due to arrive at ten. | それは10時に着くはずです。 |
I am willing to pay for it. | 喜んで払います。 |
不定詞の時制
不定詞には過去形・未来形はありません。不定詞の時制は通常の「to + 動詞の原形」である単純時制のほか、完了形、進行形、完了進行形があります。
不定詞の形式 | 例文 | 訳 |
---|---|---|
完了形 | She wished to have tried her best. | 彼女は最善を尽くしたかった。 |
進行形 | It is nice to be working on my novel after so long. | 久しぶりに小説の執筆に取り組めて嬉しいです。 |
完了進行形 | This student appeared to have been dozing off in class. | この生徒は授業中に居眠りをしていたようです。 |
不定詞の受動態
「to + be + 過去分詞」で不定詞を受動態として用いることができます。訳は主に「〜されること」となります。
例文 | 訳 |
---|---|
The workers simply wish to be rewardedfor their efforts. | 従業員は自分たちの努力が報われることを望んでいます。 |
Hygiene needs to be prioritized. | 衛生管理を優先する必要があります。 |
原形不定詞の使い方
原形不定詞(Bare Infinitive)は、ふつう「動詞の原形」と同じものをさします。
日本の学校では「don’t + 動詞の原形」や「助動詞 + 動詞の原形」などの説明で語順を説明することがありますが、これらの正体は原形不定詞です。
不定詞としては to不定詞のほうが一般的であり、原形不定詞を用いる状況は to不定詞を用いる状況よりも限定的です。
「助動詞 + 原形不定詞」の用法
日本の学校では「助動詞のあとには動詞の原形がつく」と習いますが、この動詞の原形は欧米では「原形不定詞」として理解されています。
例文 | 訳 |
---|---|
We might be late tonight. | 今夜は遅れるかもしれません。 |
You must not mention politics when talking to my father. | うちの父と話すときは、政治について話しちゃだめよ。 |
「知覚動詞 + 原形不定詞」の用法
「see」「hear」「feel」などの感覚を表す動詞は原形不定詞をともないます。
例文 | 訳 |
---|---|
I heard the car arrive before I saw it. | 私はそれを見る前に車が到着する音を聞いた。 |
They felt the ants crawl on their arm. | 彼らはアリが自分の腕を這うのを感じました。 |
「let / make + 原形不定詞」の用法
「let」「make」は「〜させる」を表す使役動詞です。これらは原形不定詞をともないます。
例文 | 訳 |
---|---|
Let me work in peace! | 安心して働かせてください。 |
He made him promise to behave. | 彼は彼に行儀よくすることを約束させた。 |
「why + 原形不定詞」の用法
他の関係代名詞・関係副詞は to不定詞をともないますが、「why」は原形不定詞を使用します。
例文 | 訳 |
---|---|
Why not ask for directions? | 道を尋ねましょう。 |
Why bother whispering? | どうしてわざわざ小声で話すの? |
「bother」は「思い悩む、気にする」などの意味をもつ動詞で、「why bother ~」のかたちで「なんでわざわざ〜するの?」という疑問を表現します。
不定詞の使い方がわかれば変わること
不定詞がわかれば以下のような点に注意して表現することができるようになります。
独学では難しいと感じるときは、英会話教室や通信講座を活用しましょう。あなたの理解に合わせて、集中的に学習することができます。
不定詞がわかると表現の幅が広がりますね!