たまに聞くアクセスポイントってなんですか?
アクセスポイントは端末を無線通信できるようにするための機器よ。
今どきのルーターには大体内蔵されているわね。
あなたのアクセスポイントは〜……3点! ざんねん!!
そういう使い方はしないわ。
こんにちは、Yunです!
ITについて勉強するなかで「アクセスポイントってなに?」「アクセスポイントとモデムやルーターの違いってなに?」と疑問に感じていませんか?
そんな疑問をお持ちの方に、こちらの記事ではアクセスポイントの特徴とほかのPC関連機器との違いについて解説します!
この記事を読めばアクセスポイントにかかわる基礎がわかります!
この記事は、ITパスポートや基本情報技術者の資格取得にも役立ちます。
アクセスポイントとはなにか
アクセスポイント(Access Point / AP)はPCやスマートフォンなど無線LANに接続可能な端末に対して、無線通信を提供するためのものです。無線アクセスポイント、ワイヤレスアクセスポイント(Wireless Access Point / WAP)とも呼ばれます。
ここで押さえておきたい点は、PCやスマホはアクセスポイントがなければ無線LAN(Wi-Fiなど)に接続できないということです。
アクセスポイントの本質は、有線LANを無線LANに変換する機能にあります。
アクセスポイントは端末を無線でルーターに接続するためのものとも言えるわ。
くわしくは記事の後半で説明するわね。
家庭用アクセスポイントと産業用アクセスポイントの違い
家庭用アクセスポイントも法人向けアクセスポイントも、ふつう無線LANに接続するといえばWi-Fi規格への接続をさします。
ただし産業用アクセスポイントにはBluetooth規格に接続するものもあり、この技術によってIoT(Internet Of Things / モノのインターネット)機器どうしの通信を可能にしています。
アクセスポイントとモデムの違い
機器 | アナログ信号とデジタル信号の変換 |
---|---|
モデム | ◯ |
アクセスポイント | × |
モデム(Modem)は電話回線で用いられるアナログ信号をコンピューターが有線で受け取れるデジタル信号に変換する機械です。また、同時にデジタル信号をアナログ信号にも変換します。
こういった変換を変調(modulation)と復調(demodulation)と言い、この2つの単語を組みあわせて「モデム(mo-dem)」という名称がつきました。
ほとんどのモデムにはポート(接続口)が2つしかありません。1つは外界のネットワークに接続するポートで、1つはルーターまたはPCに接続するポートです。つまり、モデムは複数の機器に同時にデータを送信することができません。
家庭内の複数の機器をネットワークに接続するためには、ルーターを使用します。
過去にはADSL通信が電話回線を使用していたためにモデムが普及しましたが、現在では光回線のほうが普及しています。光回線を用いた通信ではモデムではなくONUを使用します。
アクセスポイントとONUの違い
機器 | 光信号とデジタル信号の変換 |
---|---|
ONU | ◯ |
アクセスポイント | × |
ONU(Optical Network Unit / 回線終端装置)は光回線からの光信号をコンピュータ用のデジタル信号に変換します。同時にデジタル信号を光信号にも変換することで光回線を通じた通信を可能にしています。変調と復調をおこなう点ではモデムと同じなのでONUは海外では「Optical Modem(光モデム)」とも呼ばれます。
こちらも家庭内の複数の機器をネットワークに接続するためにはルーターが必要です。
アクセスポイントとルーターの違い
機器 | 端末をモデムやONUに接続すること |
---|---|
ルーター | ◯ |
アクセスポイント | × |
ルーターは複数の機器をネットワークに接続するためにモデムやONUに接続するものです。
ルーターについてわかりにくい点は、商品としての「ルーター」と機能としての「ルーター機能」が同一ではない場合があることです。
ルーターと呼ばれるもの | 特徴 |
---|---|
商品としてのルーター | ルーター機能とアクセスポイント機能のどちらももっているものが多い |
機能としてのルーター | 複数の機器を「有線で」ネットワークに接続する機能のこと |
ルーターがおこなっていることは、各機器に固有の内部IPアドレスを与えることで機器どうしのデータ通信を経路制御(ルーティング)することです。
たとえば1つの家庭内LANにPCとスマートフォンが接続されているとします。PCがONUを通じてインターネットから受信した画像(たとえば猫の画像)がPCだけで表示され、同じネットワークにあるスマホで表示されないのは、ルーターが通信経路をコントロールしてくれているからです。
ルーター機能しかもたないルーターの場合、上記のような通信はすべて有線でおこなわれます。
アクセスポイントの機能ももつルーターはふつう「無線LANルーター」と呼ぶわ。
アクセスポイントと中継機の違い
機器 | Wi-Fi信号の増幅 |
---|---|
中継機 | ◯ |
アクセスポイント | × |
中継機(Repeater / リピーター)とは、すでにWi-Fi環境はあるが、Wi-Fiの電波を受信できるエリアを広げたいときに使用する機器です。中継機は「Wi-Fiエクステンダー(Extender / 拡張機)」とも呼びます。
中継機がおこなっていることは、既存のWi-Fi信号を受信し、それを増幅してから、ブーストされた信号を送信することです。
中継機を使用することでWi-Fiの電波が自宅やオフィスの隅々まで到達したり、別の階まで電波が届いたり、庭にまで広げたりすることもできます。
上記のとおりアクセスポイントと中継機は本来異なるものですが、俗称的に混同して用いられていることもあります。
アクセスポイントのリピーター機能とはなにか
アクセスポイントのリピーター機能とは、ふつうアクセスポイントどうしを無線で接続する機能のことをさします。これはWDS(Wireless Distribution System)とも呼ばれます。
過去にはアクセスポイントの親機どうしは有線で接続する必要がありましたが、リピーター機能をもつアクセスポイントであれば親機どうしの無線接続が可能になります。
リピーター機能をもつアクセスポイントは、1台のアクセスポイントでは電波が届かない範囲までWi-Fiエリアを広げたいときに利用します。
リピーターとは中継機のことであり、Wi-Fi信号を接続されたアクセスポイントまで中継する機能であるためにリピーター機能と呼びます。
アクセスポイントとブリッジの違い
機器 | ネットワークどうしの接続 |
---|---|
ブリッジ | ◯ |
アクセスポイント | × |
ブリッジとは異なるネットワークどうしの通信を橋渡しするためのものです。
ふつうネットワークはセグメントと呼ばれる区間ごとに細分化されています。
たとえばハブAに3台のPCが接続されたセグメントAがあり、ハブBに別の3台のPCが接続されたセグメントBがあるとします。このままだとセグメントAとセグメントBは別々のネットワークであり相互に通信はできません。このようなときにハブAとハブBの間にブリッジを置くことで、セグメントAとセグメントBは通信ができるようになります。
ブリッジがワイヤレス通信が可能なものである場合、そのブリッジは有線デバイスをWi-Fiなどの無線通信によってネットワークに接続することができます。
この点はアクセスポイントとブリッジの違いを非常にあいまいに感じさせる点ですが、整理するとアクセスポイントとブリッジの違いは利用する目的にあります。
ブリッジはの2つネットワークどうしを接続するのに対して、アクセスポイントはPCやスマホをルーターに接続します。
アクセスポイントにはブリッジ機能を搭載したものがあり、ルーターにはアクセスポイント機能もブリッジ機能も搭載したものがあります。そのためこれらの名称は混同して用いられることもありますが、厳密には上記のような違いがあります。
アクセスポイントとスイッチの違い
機器 | 3つ以上のネットワークどうしの接続 |
---|---|
スイッチ | ◯ |
アクセスポイント | × |
スイッチもブリッジと同じくネットワークどうしを接続するためのものです。スイッチとブリッジはよく似ていますが、ブリッジが2つのネットワークを接続するのに対してスイッチはもっと多くのネットワークどうしをつなげることができます。
アクセスポイントとスイッチの違いは上記の「アクセスポイントとブリッジの違い」とほぼ同じです。
アクセスポイントとほかの機器との違いのまとめ
アクセスポイントの特徴は、PCやスマホなどの端末を無線でルーターに接続させる機能をもつことです。
アクセスポイントとルーターが別々の機器である場合は、アクセスポイントはルーターに接続して使います。
ただし、多くの場合「ルーター」として販売されている商品にはルーター機能とアクセスポイント機能がどちらも搭載されています。
アクセスポイントは、ルーターがおこなっている動作(ルーティング)を無線でできるようにしてくれます。
Wi-Fi接続ができるのはアクセスポイント機能のおかげってことですね!
アクセスポイントを必要なときはこんなとき
アクセスポイントを単体で必要とするのは、以下のような場合です。
現在利用しているルーターがアクセスポイント機能をもつもの(無線LANルーター)であれば、新たにアクセスポイントを購入する必要はありません。
アクセスポイントとSSID
SSID(Service Set Identifier / サービスセット識別子)とは、無線LANごとに与える名称のことです。名称は半角英数字で最大32文字で、自由に設定することができます。
無線通信によってルーターと接続する場合は、そのルーターのSSIDを知っている必要があります。
アクセスポイントとテザリングの違い
テザリング(Tethering)とは、スマートフォンなどをアクセスポイント化してほかの端末をルーターと接続するための機能です。
つまり、サービスとしてのテザリングを利用する場合、スマホなどがもっている「アクセスポイントになる機能」をONにしているということになります。
アクセスポイントの自動切り替え機能
アクセスポイントの自動切り替え機能は「ローミング」という技術で成り立っています。
ローミング(Roaming)は複数のアクセスポイントがある環境で、スマホなどの端末の場所に合わせて接続するアクセスポイントを自動で切り替えるしくみのことです。
たとえばショッピングモールのフリーWi-Fiに接続するとき、1階でも3階でも同じように強い電波状況が保たれている場合、ローミングによって接続するアクセスポイントが自動で切り替えられている可能性があります。