
ダイバーシティ2.0ってなんですか?

経済産業省が進める新たなダイバーシティ経営のあり方よ。具体的な実行のガイドラインまで提示していることが特徴ね。

この次は2.1ですか? 2.01ですか?

3.0じゃない? 知らないけど。
こんにちは、Yunです!
転職について調べるなかで「ダイバーシティ2.0ってなに?」「ダイバーシティ2.0行動ガイドラインってなに?」と疑問に感じていませんか?
そんな悩みをお持ちの方に、こちらの記事ではダイバーシティに対する新たな取りくみ「ダイバーシティ2.0」について解説します!

この記事を読めば、政府が真のダイバーシティ実現に向けてどのような取りくみ方を推奨しているかがわかります!

ダイバーシティ2.0とはなにか

ダイバーシティ2.0とは経済産業省が提示した新たなダイバーシティ経営のあり方です。経産省による定義は以下のとおりです。
〈ダイバーシティ2.0とは〉多様な属性の違いを活かし、個々の人材の能力を最大限引き出すことにより、付加価値を生み出し続ける企業を目指し、全社的かつ継続的に進めて行く経営上の取組
出典:経済産業省「ダイバーシティ2.0 一歩先の競争戦略へ」
ダイバーシティ2.0の特徴
ダイバーシティ2.0の特徴は多岐に渡りますが、ここでは主要なものを紹介します。
詳細については「ダイバーシティ2.0 行動ガイドライン」で確認することができます。
トップダウンでおこない、ダイバーシティを経営課題とする
ダイバーシティ2.0の最大の特徴は、ダイバーシティと企業の経営課題を紐づけていることです。企業の成長にダイバーシティの実現を欠かせないものと位置づけ、その理念の浸透のために経営トップが主体的にダイバーシティに向けた計画を立案することを促しています。
ダイバーシティの達成度をKPIとして設定する
ダイバーシティが企業の成長の欠かせないのであれば、当然その企業のKPI(重要業績評価指標)として設定されます。
また、KPIとして設定することで具体的な達成のための手法・進捗評価方法までの設定を求めています。
経営幹部の評価指標としてダイバーシティの項目を設ける
ダイバーシティの実現を形骸化させないために、個人の業績評価と連動させることもダイバーシティ2.0の根本理念のひとつとなっています。
ダイバーシティ1.0との違い
ダイバーシティ1.0とは、課題の多かった旧式のダイバーシティへの取りくみ方をさします。ダイバーシティ1.0の最大の問題点は企業のダイバーシティへの取りくみが形式的であり、中身がともなっていないという批判が多かったことです。
そのため、ダイバーシティ2.0は1.0から以下のように変化することをめざしています。
ダイバーシティ2.0 行動ガイドラインとはなにか

「ダイバーシティ2.0 行動ガイドライン」とは経済産業省が提示しているダイバーシティ2.0実現のための具体的な施策ガイドラインです。このガイドラインで「実践のための7つのアクション」として提示されたものは以下のとおりです。
このうち、情報開示については現行の女性活躍推進法が公表を指示しているものだけでなく、市場が重視する項目の公開も推奨しています。以下に公表を推奨している項目の例を挙げます。

ダイバーシティ経営企業100選とはなにか

経済産業省では、ダイバーシティに対する取りくみの表彰として2012年から「新・ダイバーシティ経営企業100選」、2017年からは「100選プライム」という表彰をおこなってきました。これらを総合してダイバーシティ経営企業100選と呼びます。
これらの表彰は2020年に終了しましたが、過去の受賞企業をチェックすればダイバーシティ実現に積極的な企業をしることができます。
D&Iアワードとはなにか

現行のダイバーシティ推進に関して優れた企業を表彰する制度としては株式会社JobRainbowが主催する「D&Iアワード」があります。
審査項目にはLGBT・障害・多文化共生への配慮のほかに育児・介護に関する取りくみも含まれます。
大賞は企業規模などにより4部門に分かれますが、2022年の大企業部門ではファミリーマートが大賞を受賞しました。2022年の参加企業は547社でした。
日本のダイバーシティの課題
ダイバーシティ戦略は短期的には社内の衝突を生み、経営効果が一時的に下がることが指摘されています。この解決には企業の中長期的な視点による継続的な取りくみが必要になります。

また、表面的な項目達成だけでは実質を重視したダイバーシティ2.0は達成できません。
たとえば育休の利用率や利用日数が高め、女性が長期的に働ける環境をつくったとしても、それだけでは女性が出産復帰後に出世コースからはずれる「マミートラック」の根本解消は達成できません。
日本の旧弊的な企業体質の改善には短期的・形式的な項目達成だけでなく長期的で理念的な経営戦略が必要となります。
転職にダイバーシティ2.0を活かすには
個人がダイバーシティ2.0達成に取りくむ企業を転職先に選ぶためには、表彰制度に参加している企業を見つけることがおすすめです。
過去のダイバーシティ経営企業100選や現行のD&Iアワードの受賞・参加企業だけでなく、経産省と東証が共同して選定する「なでしこ銘柄」の選定・応募企業を参考にすればダイバーシティ達成に積極的な企業を知ることができます。
働きやすい企業を選べば活躍できる

上の図は、日本の女性の平均賃金が男性よりも約22.5%低いことを表しています。
先進諸国と比べて日本は女性の平均賃金が男性よりも低い傾向にあります。
女性の管理職比率も先進諸国と比べると低く、働く環境をしっかり選ばないと、女性は男性よりも損をする可能性が高くなっています。
ただし、今回紹介したように女性が活躍できる環境を用意した企業もたくさんあります。
女性にとって働きやすい環境に身を置くことで、これまで以上のキャリアを築くことができます。

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