【英語の時制】現在完了形とは? 基本の使い方や過去形との違いを解説!

語学
新卒ちゃん
新卒ちゃん

完了時制って「Perfect Tense」って言うんですよね?

マルリン先輩
マルリン先輩

そうね。現在完了時制なら「Present Perfect Tense」よ。

新卒ちゃん
新卒ちゃん

つまり、完了時制を使いこなしたらわたしの英語はパーフェクトだってことですか?

マルリン先輩
マルリン先輩

完了時制の「perfect」はラテン語の「perfectus」からきてて、終了・達成という意味よ。

完了時制を使ったからといって完璧な人にはなれないわ。

こんにちは、Yunです!

英語の勉強をするなかで「現在完了形ってどう使うの?」「現在完了形と過去形ってどう違うのと疑問に感じていませんか?

そんな疑問をお持ちの方に、こちらの記事では現在完了を用いるのはどのようなときで、過去形を用いるのはどのようなときかを解説しています!

この記事はこんな人におすすめ!
  • 現在完了形の使い方やルールを知りたい人
  • 現在完了形と過去形の使い方の違いを知りたい人
  • 学校ではあまり習わない、ネイティブが現在完了を使う際の感覚について知りたい人
記事の内容まとめ
マルリン先輩
マルリン先輩
  • 現在完了形は過去と現在をひとまとめの「範囲」としてとらえた表現よ。
  • 日本語は「〜(し)た。」で過去も完了も表すから、訳し方で区別しようとすると混乱するわ。
  • 完了や継続、経験と用法が細かく分かれるけど、とにかく時間を範囲ととらえているという根本概念の理解が重要よ。

この記事を読めば現在完了形の根本的な部分がわかります!

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現在完了形とはなにか

現在完了時制(Perfect Present Tense)とは、英語の時制のひとつであり、過去におこなった動作が現在に影響していたり、現在まで継続していることを表す表現です。

現在完了は「have + 過去分詞」(主語が三人称単数なら「has + 過去分詞」)のかたちで表します。

例文
have gone fishing since I was a child.私は子どもの頃から釣りに行っていました。

ところで、英語の「Perfect Present Tense」は直訳すると「現在完了時制」であり、欧米で「現在完了形」という概念はほぼ使われません。現在完了時制のときは「have + 過去分詞」で表す、という言い方はしますがそれが動詞のいち形態である「〜形」だとは考えていないのです。

上記のような厳密な違いはありますが、この記事では日本の学校での指導内容と合わせて「現在完了時制」と「現在完了形」という用語を区別せずに用いています。

現在完了時制が日本人にとって複雑に感じられる理由

現在完了は、英語学習者にとってもっとも複雑に感じる時制であり、つまずきやすいポイントです。

日本人が現在完了時制でつまずきやすい原因は、日本語訳では完了と過去の区別がほぼつかないことにあります。

日本語訳では「The tree fell down.」も「The tree has fallen down.」も「木が倒れた」と訳せてしまいます(試しにGoogle翻訳にかけてみてください)。

現在完了形と過去形の違いについてはこちらの記事でくわしく解説しています!

日本語も昔は過去と完了を区別していた

ただし、日本語には「完了」の概念がないのかというと、そうではありません。日本でも明治時代までは「過去」と「完了」の助動詞は区別されていました。

高校の古典の授業では過去の助動詞と完了の助動詞について学びます。日本語では「き」「けり」が過去の助動詞、「つ」「ぬ」「たり」「り」が完了の助動詞として用いられました。

古文の例文現代語訳過去と完了の違い
木、倒れけり。木が倒れた。助動詞「けり」は過去を表す。
木、倒れぬ。木が倒れた。
(= 木が倒れてしまった)
助動詞「ぬ」は完了を表す。

江戸時代まで文語として用いられてきたこれらの助動詞が、明治時代での言文一致によりすべて「た」という助動詞で表されることになります。

例文過去と完了の違い
木が倒れた。(過去)過去としてとれば、「木が倒れた」のが現在より前の出来事であることを表す。
木が倒れた。(完了)
(= 木が倒れてしまった)
完了としてとれば、「木が倒れた」ことが過去に始まり、現在には完了していることを表す。

現在完了は訳しかたで覚えようとすると混乱する

現代日本語の助動詞「た」は過去も完了も表してしまう便利な助動詞であることが、かえって英語の過去時制と現在完了時制の区別を難しくしています。

現在完了時制は訳で覚えようとすると混乱します。

現在完了の各用法の訳の違いよりも、表す内容や概念を理解することで過去形との違いを感じる必要があります。はじめのうちは難しく感じるかもしれませんが、慣れてくると「これは過去で表そう」「この内容なら現在完了だな」というのがスッとでてくるようになります。

現在完了形の5用法

  1. 完了用法
  2. 結果用法
  3. 継続用法
  4. 経験用法
  5. 学校では習わない使い方

現在完了時制は名前に「現在」と入っていますが、実際には過去にはじまったできごとを表す表現です。(この点は日本人にとっても欧米人にとっても現在完了をややこしく感じさせる点です)

実際、過去形と現在完了形のどちらで表しても問題なく通じる内容というのは多数あります。海外で非ネイティブスピーカーが過去と完了をとり違えたからといって、文の意味が崩壊することはほぼありません。

ただし、いくつかの状況では過去形ではなく現在完了形を選択すべき場面があります。それらについて以下で解説しています。

① 現在完了の完了用法

ここでいう「完了」とは、動作の終了が発話の直前であり、厳密には過去だが広義の「今」に含めても問題ない場合をさします。

例文
I shouldn’t eat anymore because I’ve just brushed my teeth. 歯を磨いたところだからもう何も食べるべきじゃない。
We’ve finished practice now, so let’s go home. もう練習が終わったから、家に帰ろう。

この用法でともないやすい副詞には、次のものがあります。

完了用法で用いる副詞(結果用法もおなじ)
  • already(すでに)
  • just(ちょうど)
  • lately(最近)
  • now(今、もう)
  • recently(最近)
  • of late(= lately)
  • not yet(まだ〜ない)
  • yet(もう)《疑問文》 など

② 現在完了の結果用法

長期にわたっておこった変化を強調したいときにも現在完了が用いられます。

例文
My cousin has grown so much since I saw her two years ago. 2年前に会ったときよりも甥はずっと成長していた。
Thanks to the many months of playing, I have become an expert at Wordle. 何か月もプレイしたため、ワードルの達人になれました。

また、過去に起こった動作がなんらかの結果につながった場合も現在完了を用います。日本語では「〜してしまった」と訳すことが多い用法であり、動作の結果が多少なり重大なものである場合に用いられます。

また、重大な結果を表すという性質上、結果が望ましくないものである場合に用いられることがやや多いと言えます。

例文
I have lost my watch.時計をなくしてしまった。
Have you paid off your debts?借金はもう払いましたか?

この用法でともないやすい副詞は完了用法のものと同じです。

完了用法と結果用法の違い

完了用法は動作が直前に終わったことを表し、結果用法は過去の出来事の結果が現在につながっていることを表しますが、この2つの区別が明確でない場合も多くあります。

日本の英語指導でも、この2つは完了・結果用法としてひとくくりにして教えている場合があります。

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③ 現在完了の継続用法

現在完了を実際に使う場面でもっとも多いのがこの継続用法です。これは過去に開始した行為が現在まで続いていたり現在に影響したりしていることを表現します。

例文
The professor has taught here for two decades. その教授はここで20年間教えつづけてきた。
They have played piano since the age of three. 彼らは3歳からピアノを続けている。

現在完了時制の継続用法で使える動詞は「know」や「live」などその意味に期間の概念が含まれるもの(= 状態動詞)に限られます。瞬間的に終わる動詞(= 動作動詞)が継続を表すことはほとんどありません。

この用法でともないやすい副詞には、次のものがあります。

継続用法で用いる副詞
  • sence~(〜から)
  • for~(〜間)
  • always(いつも)
  • these ~ days(この〜日間)
  • how long(どれくらい)《疑問文》
  • so far(これまで) など

動作動詞の継続用法には現在完了進行形を用います。
現在完了進行形についてはこちらの記事でくわしく解説しています!

④ 現在完了の経験用法

過去に同種の行為をくりかえし経験したことを表したいときも現在完了形を用います。

例文
I’ve seen the movie six times.その映画は6回見た。
He has been in England.彼はイギリスにいたことがある。

この用法でともないやすい副詞には、次のものがあります。

経験用法で用いる副詞
  • before(以前)
  • ever(かつて)
  • never(いまだに〜ない)
  • often(しばしば)
  • once(かつて、一度)
  • seldom(めったに〜ない)
  • sometimes(ときどき) など

経験用法と継続用法の違い

用いられる動詞の種類によっては経験用法と継続用法は見分けがつきにくく感じるかもしれません。特徴としては、継続用法ではほとんどの場合なんらかのかたちで期間が示されることが挙げられます。

言い換えると、期間を表す表現がまったくない場合に現在完了が継続用法であることはほとんどありません。

例文
He has been in England.彼はイギリスにいたことがある。(経験)
He has been in England for a month.彼は1か月イギリスにいる。(継続)

⑤ 学校では習わない現在完了の使い方

動作の完了に重要性を持たせる

この用法については、学校ではあまり習わないかもしれません。

現在完了を用いることで、動作の達成に重要感や威厳をもたせることができます。これはドラマッチさやその達成が貴重なものであることを演出します。これは結果用法の一側面とも言えます。

例文
Macbeth has killed the king. マクベスは王を殺害した。
I’ve met the love of my life! 運命の人に出会えた!

過去形と現在完了形の違い

過去形と現在完了形の違いは、日本人も欧米人も混乱しやすい点です。実際、混同して用いてもコミュニケーションにおいては問題ない場合が多々あります(テストでは不正解になるでしょうが)。

過去形と現在完了形のどちらを用いるかでポイントになるのは、多くの場合以下の点です。

過去形と現在完了形の違い
  • なにを強調するのか
  • 動作が本当に終了しているかどうか

ただし、絶対に現在完了形を用いられない場合も存在します。それは特定の過去時点を文中で述べる場合です。

特定の時点を述べるときは過去形で表す

現在完了は、過去の出来事を広い「今」に含めてとらえる「時間の範囲」をもった概念であり、過去を点でとらえる特定の時点を述べる表現とは相性がよくありません。

たとえば以下のように特定の一日に限定した表現は過去形で表ます。

例文
*I have gone for a walk on Tuesday.(文法的に間違い)
I went for a walk on Tuesday.火曜日に散歩した。

ただし、曜日を指定していてもそれが期間としてとらえられるなら現在完了時制で表ます。この場合、現在完了の継続用法を用いていることになります。

例文
I have gone for a walk every Tuesday this year.今年は毎週火曜日に散歩している。

現在完了で用いられない、特定に時点をさす単語には次のようなものがあります。たとえば「last night」など「last」がつく語は現在完了とともに用いることはありません。

現在完了で用いない単語
  • yesterday(昨日)
  • last night(昨晩)
  • a week ago(一週間前)
  • when~(いつ〜?)《疑問詞》 など

特定の時点をさす語でも長さの概念を含む場合は、人によっては現在完了で表すことがあります。
たとえば、以下の副詞は現在完了で用いる場合があります。

過去形でも現在完了形でも用いられる語句
  • today(今日)
  • this morning(今朝)
  • this week[month, year…](今週 [今月、今年…]) など

出来事が発生した時点を強調するなら過去形、しないなら現在完了形

現在完了はその出来事が発生した正確な時点を重要視しない場合に用います。これは過去形がいつの時点かを強調するのに対し、現在完了は時点を問題視せず経験の有無を強調していると言えます。

例文
Have you seen ‘Gone with the Wind’?「風と共に去りぬ」を観たことある?(いつ観たかは問題視しない)
Did you see ‘Gone with the Wind’ last night?昨日「風と共に去りぬ」観た?(昨日が文のひとつのポイントになっている)

動作を過去から今の範囲でとらえたら完了形の完了用法、点で見たら過去形

現在完了の完了用法と過去形との区別に関しては、以下のとおりです。

発話の直前に終了し、終了から現在までを広く「今」としてとらえられるときは現在完了の完了用法で表ます。終了した時点を点としてとらえ、現在との関係を意識しないときは過去形で表現します。

例文
The tree has fallen down.木が倒れた。(倒れたのは直前だが、「今」に含められる出来事ととらえている)
The tree fell down.木が倒れた。(倒れたのは過去の出来事で、今とは切り離してとらえている)

今後動作がくりかえされる見込みがあれば完了形、なければ過去形

現在完了の経験用法と過去形との区別は以下のとおりです。

過去に同種の行為をくりかえした場合、現在完了形も過去形も用いることができます。ただし、今後さらにくりかえす可能性があれば現在完了形を用い、今後くりかえす見込みがなければ過去形を用いるという違いがあります。

例文
I’ve seen the movie six times.その映画は6回見た。(また見るかもしれない)
saw the movie six times.その映画は6回見た。(今後は見ない)

これは現在完了の継続用法と過去形との区別においても共通しています。

欧米では現在完了の「継続用法」という用語はあまり用いられず、その代わり現在完了は「現在まで続いていて、まだ終わっていないことを表すことがある」と意識されています。つまり、継続に関しても今後も続く場合があれば現在完了を用い、続く見込みがなければ過去形を用います。

例文
It has rained a lot this year.今年は雨がたくさん降っている。(今後もたくさん降るかもしれない)
It rained a lot last year.去年は雨がたくさん降った。(去年のなかでは継続していたが、このことはもう終了している)

現在完了形と過去形の違いについてはこちらの記事でも解説しています!

現在完了時制の使い方がわかれば変わること

現在完了時制の使い方がわかれば以下のような点に注意して表現することができるようになります。

  • 過去に起こった出来事でも、それがなんらかのかたちで現在に影響していれば現在完了を用いる。
  • 出来事が起こった時点が重要であれば現在完了ではなく過去形を用いる。
  • 今後も続く可能性があることに関しては現在完了を用いる。

独学では難しいと感じるときは、英会話教室や通信講座を活用しましょう。あなたの理解に合わせて、集中的に学習することができます。

新卒ちゃん
新卒ちゃん

現在完了を使う場面ってたくさんありそうですね!

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