男女平等はいつになったら実現しますか〜?
現状は課題が山積みね。
でも世界1位のアイスランドから学べることはたくさんあると思うわ。
アイスランドのすごいところを1つ教えてください!
たくさんあるけど、まずは男女の賃金格差が小さいところね。
こんにちは、Yunです!
男女平等について調べるなかで「アイスランドの制度ってどこがすごいの?」「アイスランドと日本の違いってなに?」と疑問に感じていませんか?
そんな疑問をお持ちの方に、こちらの記事ではアイスランドの男女平等の取りくみや、日本との制度の違いについて解説します!
この記事を読めば、アイスランドが男女平等に関して高く評価されている理由がわかります!
アイスランドはジェンダー・ギャップ指数2023で1位
ジェンダー・ギャップ指数とは
ジェンダー・ギャップ指数とは世界経済フォーラムが毎年発表する、各国の男女平等の度合いを数値化したランキングです。
指数は0〜1のあいだで表示され、「0」は完全不平等、「1」は完全平等を表します。つまり、指数が高いほどその国の男女平等の度合いが高いことを意味します。
2023年、この指数で日本は「0.647」と評価され、146か国中125位でした。アイスランドは「0.912」を獲得し、世界1位の男女平等の達成レベルであると評価されました。
日本がめちゃくちゃ低い!
ジェンダー・ギャップ指数の評価項目
ジェンダー・ギャップ指数は上記4項目からその国の男女平等の度合いを測ります。これらはそれぞれいくつかの小項目で評価されており、たとえば経済分野であれば「男女の賃金格差」「役員の女性比率」教育分野であれば「識字率」「進学率」など、さまざまな点が考慮されます。
ジェンダーギャップ指数についてはこちらの記事でくわしく解説しています!
アイスランドってどんな国? どこにある?
男女平等については世界1位の評価を受け続けているアイスランドですが、日本での知名度は高いとは言えません。ここではアイスランドの基本情報を紹介します。
アイスランドはどこにある?
アイスランドはヨーロッパの北にある島国で、北欧と呼ばれるデンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデンの5か国のなかでも最北端に位置する国です。
寒そ〜!
アイスランドはどんな国?
項目 | アイスランド | 日本 |
---|---|---|
面積 | 10万3000㎢ | 37万7973㎢ |
人口 | 37万人 | 1億2500万人 |
男女比(女性/男性) | 0.99 | 1.05 |
人口増加率(%) | 1.62 | -0.34 |
GDP(百万USドル) | 21.72 | 5,057.76 |
1人あたりGDP(1000USドル) | 52.38 | 40.23 |
アイスランドは日本より面積が小さく人口も少ないが、1人あたりGDPは日本より多い国です。
1人あたりGDPが多いということは、国民1人に対してかけられる国からのお金の額も多くなります。
ひとりひとりの生産性が高いんですね〜。
アイスランドは福祉国家
アイスランドはほかの北欧の国と同じく福祉国家体制をとっており、「高税率・高福祉」の国です。消費税率は24%(2020年)とトップレベルの高さですが、国が以下のような福祉を提供しているため国民の満足度も高くなっています。
学費が安いのうらやましい〜!
ジェンダー・ギャップ指数2022における日本とアイスランドの違い
ジェンダー・ギャップ指数2022に掲載された情報のうち、主要先進国(日本を含むG7のメンバー国)とアイスランドを比較していきます。
男女の賃金格差
男女の賃金格差は、日本が突出して高いことがわかります。日本の賃金格差はアイスランドの2倍、イタリアの3倍近くまで広がっています。
男女賃金格差は、男性と女性の賃金中央値の差を男性の賃金中央値で割ったものとして計算されています。賃金は、フルタイム相当の世帯を対象としています。
日本の格差は、ずば抜けてますね!
国会議員の女性比率
国会議員の女性比率も日本がG7のうちでもっとも低い結果となりました。
アイスランドはクォータ制(後述)を採用しており、議員の女性比率が法律によって保証されています。
もっと女性政治家に増えてほしいです……。
企業の役員の女性比率
議員の女性比率と同じく、企業の女性役員比率も日本とアイスランドでは大きな差があります。
国や企業のリーダーの性別の偏りが大きいと、多様性を受け入れていく政策や経営計画づくりに支障がでることが懸念されます。
女性政治家よりも女性役員のほうが比率が低いんですね!
女性に対する昇進の機会の提供度合い
こちらはアンケート調査となっており、「あなたの国では、企業は女性に男性と同じ地位に昇進する機会をどの程度提供していますか?」という問いに1〜7の数値で回答します。1は「まったく提供していない」、7は「大部分で提供している」を意味します。
アイスランドでは「企業が女性につねに昇進の機会を提供している」という自国の認識があることがわかります。
出世するチャンスは平等にほしいです!
男性の育児休暇制度
アイスランドは男性・女性ともに育児休暇を6か月とることができます。この期間は給料の8割が国から支払われます。
日本って0日なの……?
実は日本はこのジェンダー・ギャップレポート2022のあとに制度が変わったのよ。
新しく男性も28日間休みを取得できるようになったわ。
この先でくわしく解説するから続きを読んでね。
アイスランドの法律・男女平等への取り組み
世界初の「同一労働同一賃金」の義務化
2017 年にアイスランドは、同一賃金管理基準 (EWMS)を導入し、性別を問わず同じ役割の従業員であれば同一の賃金を支払っていることの証明を義務化しました。
25人以上の従業員を雇用する企業はこの同一賃金証明書を取得する必要があり、違反すれば企業に罰金が課せられます。また、この認証は3年ごとに更新が必要になります。
同一賃金を法律で完全義務化って、国のやることがすごいですね!
アイスランドの男性の育児休暇取得率は74%
アイスランドでは男性の育児休暇取得率が74%です(2021年)。アイスランドもかつては男性優位の社会でしたが、今では男性が育児休暇を取得することは「普通」であると認知されています。
一般的に雇用主やパートナー、社会一般から、育児休暇は子どもが生まれれば両親とも取得するものだとみなされています。
10人中7人休んでたら、休むのが普通にもなりますね!
(参考URL)
https://www.gender.go.jp/public/kyodosankaku/2019/202001/pdf/202001.pdf
https://www.city.tama.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/003/332/tama_69.pdf
子どもたちは就学前から大学まで男女平等を学ぶ
「女性と男性の平等な地位と平等な権利に関する法律」(以下、ジェンダー平等法)の第15条は、すべての教育段階を通じて学校で男女平等を教えなければならないと定めています。
つまりアイスランドの子どもたちは幼稚園から大学まで、あらゆる学校形態のなかで男女平等について学びつづけています。
企業の役員女性比率は40%以上を義務化
アイスランドはクォータ制を採用しています。ここでのクォータ制とは、男女の比率を自由に任せるのではなく、法律で決めてしまう制度のことです。
アイスランドはジェンダー平等法の第28条で政府・企業ともに女性の上級職の比率を40%以上にすることを規定しています。
これにより、従業員25名以上のすべての企業で、上級職の男女比は6:4程度、または5:5程度になっています。
また、従業員25名以上の企業は、3 年ごとに目標を見直す男女平等プログラムを導入する必要があることも定めています。
上司が同性なら、相談できることも増えそう!
国会議員の女性比率40%以上
ジェンダー平等法の28条は、国会・地方自治体・企業の上級職のうち40%以上を女性とすることを定めた法律です。
アイスランドで国会の女性議員がもっとも多かったのは2016年の30名で、このときの女性比率は47.6%でした。2021の選挙では再び 30 人の女性が選出され、女性の割合は再び 47.6% になりました。
ほぼ50%ですね。
(参考URL)
https://www.althingi.is/english/about-the-parliament/women-in-parliament-/
首相が管理する「平等局」が存在する
平等局は、 首相の管理下にある特別な機関であり、法律の実施を監督し、ジェンダー平等に関する助言、公衆教育、および情報を提供します。
4年ごとに、ジェンダー平等担当大臣は、省庁による提案を受け、平等局と協議した後、4 年間のジェンダー平等行動計画に関する議会決議の動議を提出する必要があります。
(参考URL)
https://www.government.is/topics/human-rights-and-equality/
日本の男女平等に向けた取り組み
世界と日本の男女格差の開きは、そのままにできる問題ではありません。
日本政府も近年、男女平等に向けた取りくみを進めています。
日本にもがんばってほしいです!
2022年10月に「産後パパ育休制度」が創設
日本では2022年10月に育児・介護休業法が改正され、「産後パパ育休制度」が創設されました。
産後パパ育休とは産後8週間以内に4週間(28日)を限度として2回に分けて育児休業を取得できる制度です。
男性の育児休業取得促進のため、取得ニーズが高い子の出生直後の時期(子の出生後8週間以内)に、これまでよりも柔軟で取得しやすい休業として設けられました。
この産後パパ育休は、子の1歳までの育児休業とは別で取得することができます。
分けられるのがいいですね!
2022年10月から育休の分割取得が可能になった
これまでも日本の育児休暇は12か月と世界のなかでも長期の部類でしたが、それを男女ともに2回に分けて取得することができるようになりました。
これにより、夫婦が交代で育休を取ることができるなど、これまでよりも柔軟に育児とキャリアのバランスをとれるようになりました。
育休制度が拡充されるのはうれしいです!
でも、日本の課題である取得率の低さはこれだけでは解決しないわ。
取得率向上にはもっと抜本的な改革が必要ね。
女性活躍推進法、えるぼし認定など
育児休暇制度のほか、日本にも女性の活躍を推進するための「女性活躍推進法」があり、同法に基づいた男女平等に関する企業への認定制度「えるぼし認定」があります。
これらについてはこちらの記事で解説していますので、日本の法制度についてもぜひご確認ください。
日本にもいろんな制度があるんですね!
環境がおかしいと感じたら、転職もアリ
賃金格差や待遇格差は個人だけで対処できる問題ではありません。
男女の平均賃金には格差があるのが現実です。現状の女性は、格差の少ない企業や女性を重んじる環境を選ぶ意志や行動力がある人が得をします。
あなたが今所属している環境は個人で変えられるものでないと感じるなら、転職することをおすすめします。
転職の際に女性が活躍できる環境であることを基準にすれば、次の職場でキャリアアップできる可能性があります。
企業文化は千差万別。あなたにぴったりの企業もきっとあるはずです。