平均年収の信憑性とは? 平均年収は当てにならない? 解説します!

資格・転職
新卒ちゃん
新卒ちゃん

あ、こっちの業界はあっちの業界より平均年収が低いからだめだな。

バリキャリ先輩
バリキャリ先輩

平均年収はどういう情報が含まれているかで精度が変わるから、それだけを基準に判断するのはおすすめしないわよ。

新卒ちゃん
新卒ちゃん

こっちの企業はあっちの企業より福利厚生がいい。悩むな〜。

バリキャリ先輩
バリキャリ先輩

(後輩が仕事中に転職情報を調べていると不安になる……。)

こんにちは、Yunです!

就職や転職について調べるなかで「平均年収って本当に正しいのか」「平均年収は信用できるのか」と疑問に感じていませんか?

そんな悩みをお持ちの方に、こちらの記事では平均年収にはどのような情報が含まれているのかや、平均年収の信用度について解説していきます!

この記事はこんな人におすすめ!
  • 公表されている平均年収をどれくらい信用していいか疑問に感じている人
  • 平均年収がどうやって決まっているのかくわしく知りたい人
  • 就職や転職を計画していて、企業の平均年収が気になっている人
記事の内容まとめ
バリキャリ先輩
バリキャリ先輩
  • 平均年収の情報は、その元データをなにから採っているのかが重要よ。
  • 実際に得られる年収は勤続年数が大きく影響するわ。
  • 平均年収のわずかな差を気にするより、自身が活躍しやすい環境かどうかが大切だと思うわ。

この記事を読めば、平均年収はあくまで目安であることがわかります!

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平均年収はどうやって計算されている?

国税庁による「平均給与」

国税庁では、民間給与実態統計調査における「平均給与」を給与支給総額を給与所得者数で割ったものと定義しています。

平均年収
  • 給与支給総額 ➗ 従業員数=平均年収

給与支給総額とは各年における1年間の支給総額です。これは給料・手当及び賞与の合計額のことで、給与所得控除前の収入金額です。

給与支給総額
  • 1年間の給料・手当・ボーナスの合計額
新卒ちゃん
新卒ちゃん

国税庁は、残業代や住宅手当、資格手当、ボーナスなども年収に含めて計算しているんですね!

企業に開示が明示されている情報

「企業内容等の開示に関する内閣府令」では、上場企業が有価証券報告書に平均年間給与に賞与(ボーナス)を含めて開示するよう義務づけています。

ここでは残業代などの各種手当を含めるかどうかは記載がありません。記載のルールがあいまいであるため、これだけだと情報の精度に不安があります。

ただし、「平均年間給与には、基準外賃金および賞与を含んでおります。」という注釈をつけている企業も多くあります。

この場合「基準外賃金」とは各種手当をさす場合が多いので、平均年収には残業代、住宅手当、その他手当も含まれて計算されいてると考えられます。

「基準外賃金」は法律上の定義がある用語ではありません。

つまり厳密には内容の定まらない言葉ではありますが、多くの企業が労働基準法上の割増賃金の基礎とならない賃金(残業代、住宅手当など)として用いています。

(参考URL:金融庁「企業内容等の開示に関する内閣府令」)
https://www.fsa.go.jp/news/20/syouken/20080722-1/02.pdf

新卒ちゃん
新卒ちゃん

企業の有価証券報告書も、多くの場合は残業代や住宅手当、資格手当などを含めて計算してくれてるんですね!

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業界別の平均年収

小売、アパレル、住宅、銀行などの業界単位の平均年収を知りたいときがあります。

たとえば就職に役立つ資格をとろうとするときに、その資格が関係する業界の平均年収を調べる場合などです。

ファイナンシャルプランナーの資格を取ろうかどうか悩むときには、金融業界の平均年収がその他の業界と比較してどうなのかが気になる可能性があります。

参考にされる統計情報

業界単位の平均年収では、厚生労働省による賃金構造基本統計調査に基づいて計算する場合があります。国による統計情報ですので、このブログでも活用していく予定の資料です。

令和4年賃金構造基本統計調査
出典:https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/dl/05.pdf

ただし、この統計調査では業界のくくりが大きく、細分化した情報は得にくいという特徴があります。「金融業」にはメガバンク、地方銀行、証券、リース等の業界が含まれており、それぞれ事情が異なる部分があります。

この統計情報を使用しているサイトは多くあります。情報元が賃金構造基本統計調査の場合、業界別の平均年収はあくまでおおまかな傾向としてとらえる必要があります。

新卒ちゃん
新卒ちゃん

情報元を気にする必要があるってことですね!

大企業も中小企業も混ぜて計算されている

業界単位の平均年収には大企業も中小・小規模企業も含まれています。これは業界ごとの年収を気にするうえでは当然のことではありますが、業界の平均年収が自分が就職する企業に適用されるとは限らないことは把握しておきましょう。

新卒ちゃん
新卒ちゃん

業界単位の平均年収は、かなり大まかな目安ってことですね!

職種別の平均年収

こちらも業界別と同じく、厚生労働省の賃金構造基本統計調査が参考になります。

令和4年賃金構造基本統計調査をもとに作成

職種別の平均年収も、資格を生かせる業界をさがすときに気になる情報です。

保育士や公認会計士など、資格と職業が直結している場合はこの統計の数値が参考になります。しかし、カラーコディネーター検定試験やITパスポートなど、幅広い職種で役立つ資格に関してはここから平均年収を算出することは容易ではありません。

新卒ちゃん
新卒ちゃん

年収の計算と直結する資格と、そうじゃない資格があるってことですね。

バリキャリ先輩
バリキャリ先輩

「その資格の平均年収」を計算しづらいだけで、役立つとか役立たないとかとは別の話よ。

大企業も中小企業も混ぜて計算されている

職種別の平均年収も業界別同様、企業規模は考慮せずに計算されています。その職種の平均年収がいくらだから、自分のめざす仕事の年収がどれくらいになるかというのは一概には言えません。

ただし、社会保険労務士や電気工事士などの業務独占資格であれば、事業所の規模で平均年収にあまりにも大きな差が生じる可能性は低いと言えます。

新卒ちゃん
新卒ちゃん

職種別の平均年収も、おおまかな目安ということですね。

企業別の平均年収

あなたが就職や転職を予定していて、業界も職種も決まってきたら、具体的に志望する企業名もいくつか浮かんでいるはずです。

それらの企業の平均年収を私たちはどのように解釈すればよいのでしょうか。どれくらい信用したらよいのでしょうか。

勤続年数の影響が大きい

平均年収はあくまで平均値であり、これは就職1年目の新人も勤続35年のベテランも、すべて含めて計算されます。そして多くの場合、勤続年数が長い人の給与が平均年収を押しあげています。

ここでは以下のことを注意する必要があります。

勤続年数の影響を考慮するポイント
  • 離職率が高い企業では、あなたも高い年収を得る前に退職する可能性がある。
  • 平均年齢が低く勤続年数が短い企業では、平均年収どおりの生涯賃金とはなりにくい。
  • 平均年齢が高く勤続年数が長い企業では、定年まで安定した収入を得やすい。

上記について解説していきます。

新卒ちゃん
新卒ちゃん

入社1年目から平均年収どおりもらえるわけないってことですね。

離職率が高い場合

離職率が高い企業の場合、平均勤続年数は短くなります。全体の傾向どおりあなたが早期に離職する場合には、平均年収からほど遠い年収までしか得られない可能性があります。

新卒ちゃん
新卒ちゃん

周りが辞めても、自分がつづけられたらOKってことですよね?

バリキャリ先輩
バリキャリ先輩

そのとおりだけど、離職率の高いということはそれなりの原因があると想像できるわ。

自分が例外になれるかどうかは慎重に判断しないとね。

平均年齢が低く平均勤続年数が短い場合

若い人が多く、勤続年数が短い企業は、従業員の多くが早期に独立または転職する傾向のある企業です。

新卒から定年までの生涯賃金を「平均年収かける40年」で計算していても、その計画どおりにいかない可能性があります。

バリキャリ先輩
バリキャリ先輩

平均年齢が低いのは、独立志向の若い人が多い職場にありがちね。

「平均勤続年数」は「現在勤務している社員の勤続年数を平均した数字」です。
「入社から退社までの平均在籍年数」ではないので注意してください。

創業からの年数が浅い場合、自動的に平均勤続年数は短くなります。

平均年齢が高く平均勤続年数が長い場合

平均年齢が40歳前後で、勤続年数も20年前後ある場合、定年まで勤めつづける従業員が多い企業と言えます。

この場合、勤続年収による年収の変動はあっても、およそ平均年収どおりの安定した生涯賃金を得られる可能性があります。

新卒ちゃん
新卒ちゃん

今どきは転職も普通のことだから、これからの時代は平均勤続年数が短い企業も増えるかもしれませんね。

残業代が含まれている場合が多い

有価証券報告書に記載されている平均年収には、残業代が含まれている場合が多くあります。

年収のどれくらいの部分を残業代が占めているかはわからないため、平均年収を達成するためには多くの時間残業しなければならない可能性があります。

新卒ちゃん
新卒ちゃん

わたしはあんまり残業代で稼ぎたいってタイプじゃないな〜。

総合職以外を含めるか含めないかの決まりがない

有価証券報告書に記載されている平均年収は、総合職以外を含めている場合があります。

通常現業職や一般職よりも総合職のほうが年収が高いため、総合職以外を含めて報告している企業の平均年収は、実際よりも低い数字になります。

公開されている平均年収が低いからといって、実際にその企業で得られる年収が低いとは限らないということです。

ただし、「従業員は臨時雇用者は含めておりません」と注釈がある企業も多くあります。この場合、総合職だけの平均年収が計算されていると考えられます。

新卒ちゃん
新卒ちゃん

わたしは総合職で働きたいから、総合職だけの情報が知りたいです!

上場企業でなければ情報を得にくい

有価証券報告書の開示義務は上場企業が対象です。非上場企業の場合財務諸表が公開されないので、平均年収などの情報も得にくくなります。

ただし、就職四季報など非上場企業の情報を公開している情報誌もあります。

バリキャリ先輩
バリキャリ先輩

なかには未上場企業でも有価証券報告書を出している場合があるわ。ただし、平均年収の情報が載っているとは限らないわね。

年収に影響する要素

多くの場合、あなたが得られる年収はあなたの役職、働く地域、あなたの経歴、資格の影響を受けます。

役職

同じ年齢でも昇進できるかどうかで年収が変わります。

これは企業の平均年収とはかかわりなく、あなたのスキルによって左右される部分です。

新卒ちゃん
新卒ちゃん

わたしもいつかは出世したい!

地域

首都圏の平均年収は地方の平均年収よりも高い傾向にあります。

ただし、物価による生活費も変化しますので、地域差だけで生活の質があがるとは言いきれません。

バリキャリ先輩
バリキャリ先輩

地域手当といって、勤務地の物価差を考慮した手当を出してくれる企業もあるわ。

経験

その分野で活躍した経験をもっていることは、あなたへの報酬を平均よりも上げる可能性があります。

資格

役立つ資格は、あなたがその業務で生かせる能力を持っていることを証明します。得意分野を持っていることであなたは周囲と区別され、より高い評価と報酬を得られる可能性があります。

新卒ちゃん
新卒ちゃん

わたしも資格をとって昇進したい!

年収以外で重要な要素

通常、年収に含まれないが報酬にかかわる要素に、福利厚生があります。

福利厚生

就職活動のなかで「福利厚生はあまり気にしていない」という人をよく見かけます。

福利厚生を、どこかの施設の割引券程度のものだととらえているのかもしれません。しかし、福利厚生は年収とほぼ同じくらい重要な要素になり得ます。

たとえば財形貯蓄や人間ドックなどは福利厚生として導入されているかどうかで支出が大きく変動します。食事手当などは、その制度の手厚さが家計に与えるインパクトの大きさは年収が変化することとほとんど同じです。

新卒ちゃん
新卒ちゃん

お昼ご飯代が浮くの、いいな〜。

平均年収も大切、でも自分磨きはもっと大切

就職や転職を検討する際にその企業の年収を気にするのは当然です。しかし、公表されている平均年収はあくまで「平均値」であることは意識する必要があります。

企業のなかには、かならずその平均年収以上の年収を得ている人がいます(平均値とはそういうものです)。

個人の能力がすぐれていれば、その企業のなかでの平均以上の収入を得る側にまわることができます。

いくつかの候補から企業を選ぶ際に、平均年収の細かい差よりも、成長しやすい環境であることや活躍できる環境かどうかのほうが重要です。

新卒ちゃん
新卒ちゃん

わたし、がんばります!

自分が活躍できないと感じる環境からは抜け出そう

その企業のなかで人間関係や、企業風土、その他なんらかの障壁により自分が活躍できないと感じる場合は転職も検討してみましょう。

あなたが活躍できる環境であれば、その企業の平均年収を上回るパフォーマンスを発揮できる可能性は十分にあります。

バリキャリ先輩
バリキャリ先輩

企業文化は千差万別。あなたにぴったりの企業もきっとあるはずです。

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