ヘリングの反対色説についてわかりやすく解説します!

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新卒ちゃん
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反対色説ってなんですか?

バリキャリ先輩
バリキャリ先輩

ヤング – ヘルムホルツの三色説に対して、ヘリングが考えた色覚のしくみに関する理論よ。のちに、三色説も反対色説もどちらも正しかったことがわかったわ。

新卒ちゃん
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反対色と補色って違うんですか?

バリキャリ先輩
バリキャリ先輩

反対色は「人が同時に知覚できない色」、補色は「色相環の反対側にある色」だから、必ずしも同じものではないわ。

こんにちは、Yunです!

色彩について勉強するなかで「反対色説ってなに?」「三色説と反対色説ってどう違うの?」と疑問に感じていませんか?

そんな悩みをお持ちの方に、こちらの記事ではヘリングの反対色説についてわかりやすく解説します!

この記事はこんな人におすすめ!
  • ヘリングの反対色説についてくわしく知りたい人
  • 人の色覚のしくみについて知りたい人
  • 三色説と反対色説の違いについて知りたい人

この記事を読めば、反対色説と実際の色覚のしくみの関係がわかります!

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反対色説とはなにか

ヘリングの四原色による色相環
出典:https://designblog.rietveldacademie.nl/?p=68405

反対色説(Opponent Process Theory)とは、ドイツの生理学者エヴァルト・ヘリング(1834 – 1918)によって提唱された、人が色を知覚するしくみについて説明した理論のひとつです。

反対色説は、人は3種類の光受容体をもち、その受容体のそれぞれが2種類の反対色に反応することで色を知覚しているという理論です。

反対色説では、3つの光受容体はそれぞれ「赤 – 緑」「青 – 黄」「黒 – 白」に反応すると考えています。

このとき、受容体は「赤または緑」「青または黄」「黒または白」それぞれどちらかにしか同時に反応できません。赤を見たときに活性化する受容体は緑では非活性化し、青を見て活性化する受容体は黄を見ると非活性化します。

人は「赤っぽい緑」を知覚できないし、「青っぽい黄色」という感覚も表現ももちません。ヘリングはこのことから「人には同時に知覚できない色がある」ということを考えつきました。

補色残像は反対色説で説明できる

反対色説は、かんたんな残像実験をおこなうことで確認することができます。

下の4つの四角形の中心(白線の交点)を15秒ほどみつめてから、横の白いスペースに焦点をうつし、何度も瞬きしてみてください。瞬きをしたときに4つの四角形が現れますが、その色にも注目しましょう。





白いスペースに現れた四角形は、赤だった部分が緑、青だった部分が黄色、と上下がの色が逆転して見えるはずです。これはわたしたちの体になにが起こっているのでしょうか?

わたしたちの目には3種類の光受容体(錐体)があります。この錐体は色を長時間見るとその色を見る機能が「疲れて」しまいます。たとえば「赤 – 緑」受容体が赤を長時間見ると赤を知覚する機能が疲れてしまい、緑を知覚する力を抑制できなくなります。

その結果直後に白い背景を見ると、疲れた受容体は知覚の抑制と信号送信のバランスが崩れ、ないはずの反対色を脳が認識してしまいます。

疲れた受容体はすぐに回復し、30秒ほどでまたただの白い背景にもどります。

ヤング – ヘルムホルツの三色説は人間の光受容体が3種類であることまでは予測しましたが、この補色残像までは説明できませんでした。ヘリングの反対色説は1つの受容体がある反対の色(同時に知覚できない色)のペアに対応していると解釈することで、補色残像効果の原理を説明しました。

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反対色説が生まれた経緯(三色説との違い)

ヘリングの反対色説は、ヤング – ヘルムホルツの三色説と合わせて勉強すると覚えやすくなります。

三色説は、人は無数の色をたった3色の色(= 赤、緑、青)で感知しているという画期的な理論でしたが、ヘリングはこれに反対しました。三色説では「黄は赤と緑の混色」と考えますが、ヘリングは黄は根源的な色のひとつであり、あらゆる色は「赤または緑」と「青または黄」「黒または白」の組み合わせからつくられると説明しました。

ヘリングの反対色説は赤・緑・青・黄を基本色とすることから四色説と呼ぶこともあります(ヘリングは「黒 – 白」については色の色相ではなく明るさを決めるものととらえました)。

バリキャリ先輩
バリキャリ先輩

この赤・緑・青・黄の色を心理四原色とも呼ぶわ。

光の受容体

ヘリングの反対色説は、そののち生理学が発展し、外側膝状体に反対色に反応する細胞があることが発見されることで証明されました。

人は光を網膜にある錐体でキャッチしたあと、その情報は視床にある外側膝状体を経由して大脳に送られます。

この外側膝状体にある小細胞(P細胞)は「赤または緑」を選んで反応するものと「青または黄」を選んで反応するものがあるため、現在ヘリングの反対色説は部分的に正しかったと考えられています。

ただし、ヘリングの反対色説にある「白 – 黒」に選択的に反応する受容体は存在しないようです。

反対色説も三色説も正しかった(段階説への発展)

網膜と視床の研究から、人に色覚のプロセスは網膜では三色説、視床では反対色説が成立することがわかりました。

つまり、網膜は3つの色を3つの錐体で受け取り(= 三色説)、そののち視床にある外側膝状体では「赤または緑」「青または黄」に選択的に反応して脳が感じる色を決めている(= 反対色説)が成立していることがわかりました。

このように色覚のプロセスの前半で三色説、後半で反対色説が成立するという考えを「段階説」と呼び、今日ではこれが色覚のプロセスの定説となっています。

新卒ちゃん
新卒ちゃん

みんな正解だったんですね。すごい!

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